[II-TRP02-01] 先天性心疾患患児の家族の次子妊娠支援のあり方
キーワード:先天性心疾患, 次子妊娠, 支援
【目的】先天性心疾患患児の家族の次子妊娠支援のあり方について示唆を得る。【倫理的配慮】対象者には、特定されないようにデータ化することを説明し、承諾を得た。【対象】出生後2回以上の入院治療を必要とする、先天性心疾患患児の母親【方法】次子妊娠に関する言動があった5事例を記録から抽出し、まとめた。【結果】母親は患児の治療計画を理解しており、最終手術の後に次子妊娠を望んでいた。しかし、最終手術を受ける前に妊娠するケースもあり、患児の重症度の認識が医療者と母親とで違っていたり、患児の治療の付き添い中に悪阻や体調不良、精神状態が不安定になる母親もいた。また、合併症があり入退院を繰り返しているケースでは、次子妊娠について考える余裕はないが、やはり最終手術を一つの基点として捉える言動があった。母親が若年で疾患や治療の理解が乏しく、継続した指導を必要としたケースでは、次子妊娠を計画的に考える言動があった。家族のサポートが得られるケースでは、治療途中でも計画的に妊娠していた。【考察・まとめ】小児科病棟の看護師は、妊娠に関する相談や指導に関わることは少ない。しかし、患児の全体像を捉えて看護をする上で、家族計画は重要な情報である。次子妊娠について相談しやすい環境を作り、母親のみならず、父親からも情報を収集し、医師とも情報共有する必要がある。事例では、先天性心疾患患児の母親が次子妊娠を考える際、患児の長期的な治療計画を理解していることは重要であると考えられた。そのために看護師は、患児の疾患に関連する、血行動態、カテーテル検査結果と問題点、今後の治療時期の指標を理解し、家族の協力や地域の支援体制など、多方面から患児と家族を把握する必要がある。また、先天性心疾患患児・家族にとって、定期的に関わる医療者は育児支援者であるといわれており、患児自身の自立やきょうだい支援の視点を持った関わりも求められている。