[II-TRP02-03] 先天性心疾患のこどもをもつ両親の思い-ピアサポートグループの活用-
キーワード:先天性心疾患, ピアサポート, 家族の思い
【背景】我々は、2017年より先天性心疾患のこどもをもつ両親の気持ちの表出を目的として、入院中の患者家族を対象にピアサポートグループを開催している。この会で得られた語りを分析することで、両親がどのような思いや不安を抱えているかを明らかにし、よりよい看護支援につなげたい。【方法】ピアサポートグループ参加者が語った「心臓病のこどもへの思い」に関する内容をコード化し、カテゴリーに分類した。【倫理的配慮】本研究は所属施設の倫理委員会の承認を受けた。【結果】参加者は23名の母親であり、2名は2回参加した。こどもの年齢は0歳が15名、1歳が5名、2歳が3名、3歳と7歳がそれぞれ1名ずつだった。こどもの治療経過は初回手術前が6名、初回姑息術後が8名、2回目の姑息術後が3名、修復術後が8名であった。ピアサポートグループで語られた内容から【病気や治療への思い】【自分自身への思い】【こどもへの思い】【家族への思い】【退院後の生活への思い】【病気の周知に関する思い】という6のカテゴリーと23のサブカテゴリーを抽出した。病気や治療に戸惑いながら、退院後の生活やこどもの将来に不安を感じている母親の思いが明らかになった。【考察】参加者は、手術や退院経験のない児をもつ母親の割合が多く、先のイメージができないことに不安を感じていた。先行研究でも明らかにされているが、このような不安は、ピアサポートグループの活用により、医療者からの情報では補いきれない具体的な助言や共感を得ることで軽減できる。しかし、イメージ化したことを実際に退院した後に経験してみると想像との違いに戸惑い、育児に困難を生じることが予想される。よって、退院後も家族が思いを表出できる場として、退院後の家族も含めたピアサポートグループの開催が必要である。【結論】入院中から退院後まで継続したピアサポートグループでの支援が有用