[II-TRP02-04] 心臓手術前にICUを見学した幼児の母親の体験―インタビュー調査を実施して―
キーワード:小児ICU, 術前見学, プレパレーション
【背景】心臓手術前のICU見学は、子どもが理解・納得して術後ICUで過ごすために重要である。しかし、子どもが恐怖心をもったので見学しない方がよいという親の意識の報告もある。【目的】ICUを見学した幼児の母親の体験を明らかにする。【方法】質的記述的研究。幼児のICU見学に付き添った母親3名に半構成的面接を行い、質的帰納的に分析した。本研究は所属機関の倫理委員会の承認を得て実施した。【結果】見学前、母親は子どもの<不安が強くならないよう配慮>しながらICUについて子どもへ説明したが、子どもが術後ICUに行くことを嫌がると<理解・納得できる説明方法がわからない>と感じていた。母親は<見学するかどうかは子どもの希望で決定>したが、見学中<見学により不安が強くなることを心配><子どもが置かれる状況への無力感><親も初めての子どもの手術に精一杯>と感じた。見学後は<想像よりも子どもの不安は強くない>と感じ、<子どもの理解度に合わせ説明を補足>した。また、<手術前夜に不安になる子どもをなだめる>ことがあった。手術後は<見学の希望を親が判断せず子どもに確認してよかった>と振り返った。【考察】ICUの説明に難しさを感じる母親にとってICU見学は、子どもの理解度に合わせた説明を可能にすると考える。しかし、母親自身、手術に対する不安や無力感で精一杯であり、母親が安心して子どもと見学できるよう支援する必要がある。例えば、予め母親にICUを見学してもらい、子どもへの説明内容や使用する言葉を相談する、子どもに合意を得ながら進めるといった配慮を説明することなどである。母親が安心して子どもと見学できることは、見学中余裕をもって子どもに接することにつながり、子どもの不安を強めないために大切であると考える。また見学後子どもが不安を表出した際は、母親任せにせず、看護師もICUと一般病棟で連携し子どもを支援できることを説明しておく必要がある。