第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスターセッション(多領域専門職部門)

集中治療・看護

ポスターセッション(多領域専門職部門)3(II-TRP03)
集中治療・看護

Fri. Jun 28, 2019 5:30 PM - 6:30 PM ポスター会場 (大ホールB)

座長:栗田 直央子(静岡県立こども病院 看護部)

[II-TRP03-02] 当院の小児心臓集中治療室における疼痛評価の実態調査

山本 一真, 真室 飛翔男, 井上 学, 高山 志乃 (埼玉医科大学国際医療センター看護部 B棟2階 小児ICU)

Keywords:小児, 循環, 疼痛

【背景】痛みと循環・呼吸は密接に関係しており、痛みは循環・呼吸に悪影響を及ぼす。特に先天性心疾患患者にとって循環・呼吸への悪影響は、病状悪化や回復遅延に繋がる。また、新生児や乳幼児は成長発達段階から、痛みを言葉で表現することや、自分で対処することができない。正確で迅速な疼痛評価は、疼痛に伴う循環・呼吸の変化に素早い対応ができる。【目的】小児ICUに入院した患者の疼痛評価に関するデータを収集し、適切な疼痛評価ができていたかを実態調査した。【方法】小児ICUに2017年10月1日~2018年10月31までに入室した100例を対象に年齢、疼痛評価スケール(FSPAPI・FLACC・NRS・FS・BPS)、挿管の有無、鎮痛薬の使用の有無を収集し、単純集計する。【倫理的配慮】院内倫理審査委員会の承認を得た。【結果・考察】疼痛評価スケールにおいては、全例対象にあったスケールを使用できていた。NRS、BPSを使用した16例は、疼痛評価に基づき鎮静薬の追加投与、早期使用などの対応ができていた。FSを使用した1例においても適切な疼痛評価ができていた。このことから、患者自身が疼痛の程度を訴える事が可能な場合、適切に疼痛を評価行い、鎮痛薬を使用できていたと考える。しかし、FSPAPIを使用した25例では適切に評価できていたのは3例、FLACCにおいても58例中10例と、NRS、BPSを使用した患者と比較し、適切な評価が実施できていなかった。客観的な疼痛評価スケールを使用している新生児期~幼児期の患者の場合、欲求による啼泣と疼痛による啼泣の判断が困難であり、疼痛評価が適切に出来ていなかったと考える。【結論】客観的疼痛評価スケールを使用した新生児~幼児期の患者の疼痛評価は評価・対応ともに適切な評価が実施できていないことが分かった。今回の結果を提示したうえで、今後小児ICUのスタッフに対して新生児期~幼児期における疼痛評価の実態についてアンケート調査を行い、問題点を抽出していく。