[II-TRPAL-01] 成人先天性心疾患患者の肥満・やせの状況と心身関連因子
キーワード:成人先天性心疾患, やせ, QOL
【背景】成人先天性心疾患(ACHD)患者の肥満ややせの現状は明らかでない。【目的】ACHD患者の肥満・やせと関連因子を明らかにする。【方法】20才以上の先天性心疾患患者を対象に、年齢、性別、健康関連QOLSF-36R等による質問紙調査と、病名、治療、体重、身長をカルテから把握しBody Mass Index(BMI)を計算した。分析は統計ソフトSPSSを用いた。研究は当該施設の倫理審査の承認を得た。【結果】対象は279名で男性131名、平均年齢は男性30.7才女性34.4才だった。疾患重症度(ACC/AHA2018)はsimple33、moderate179、complex67、男性の84.6%(110名)女性の64.9%(96名)が就労していた。肥満(BMI>25)の割合は男性31.1%女性19.0% 、やせ(BMI<18.5)は男性4.7%女性12.7%でありいずれも全国値と有意差はなかった。女性は疾患重症度が高いほどやせが多かった(P<0.05)が男性は関連がなかった。就労の有無とBMIは男女とも関連はなかった。やせのPhysical Component Summary Score (PCS) は肥満のPCSより有意に低く、Mental Component Summary Score (MCS) はBMIに関連はなかった。Role/Social Component Summary Score (RCS) は女性においてやせが肥満より有意に低かった(P<0.05)。【考察・結論】肥満はQOLに有意な影響はなく、やせは女性の重症者に多くPCSとRCSが低かった。身体的なつらさが社会的役割に関するQOLに影響していると推察され、肥満は心血管のリスク因子として予防と改善が重要であるが、同様に女性のやせについても栄養や運動、心理など多面的な支援が必要と思われる。