[II-TRPAL-03] 新生児・乳児期の重症先天性心疾患術後患児の早期離床・リハビリテーション介入
キーワード:PICU, 重症先天性心疾患, 早期離床リハビリテーション
【背景】A病院PICUに入室する患児の6割は新生児期・乳児期の重症心疾患術後である。重篤であるほど循環動態安定を目的とした深鎮静管理と絶対安静を強いられる。これまで、看護師は患児に対し褥瘡回避目的の除圧を行なうのみで、早期離床を目的とした介入は行えていなかった。【目的】先天性心疾患術後の新生児と乳児に対し、早期離床・リハビリテーションプログラムとプロトコルを作成、介入により術後早期回復支援となるかを明らかにする。【倫理的配慮】倫理委員会の承認を得た上で、対象者の両親に同意を得た。【対象と方法】1)心臓外科医と理学療法士に相談の上、早期離床・リハビリテーションプログラムとプロトコルを作成した。2)2018年4月~8月までに入室した対象者50名(非介入群)に対し電子カルテから人工呼吸器装着期間、PICU在室期間、VAPの有無、体位変換開始時期を調査した。3)2018年11月~2019年1月までに入室した対象者22名(介入群)に対し早期離床・リハビリテーションプログラムを実施、非介入群と同様の指標を調査、比較検討した。【結果】2群間で人工呼吸器装着期間・PICU在室期間の有意差はなかったが、体位変換開始時期は姑息術児のみ有意差を認めた。VAPは2群とも発生はなかった。【考察】介入が術後早期回復支援となる明確な効果は認めなかったが、姑息術児の体位変換開始時期が早くなったことは、より早期の介入が可能になったと評価でき、今後、その成果をみていく必要がある。人工呼吸器管理期間・PICU在室期間・VAPには他の要因が影響していることが考えられ、指標の検討が必要である。介入開始と中止の基準を設けているものの、関わる看護師には高度な臨床判断が必要だと考えられる。【結論】早期離床・リハビリテーションは、重症心疾患術後患児の早期回復支援につながる可能性があるが、今後、その評価をしていく必要がある。