[II-TRPAL-05] Fontan術後患者の発達早期の集団参加状況
Keywords:Fontan術後, 新版K式発達検査2001, 集団参加
【背景】先天性心疾患の患者の生存率が向上し、患者のQOLへの関心が高まっている。【目的】Fontan術後患者の発達早期の集団参加状況を考察する。【方法】対象:A病院で2013年9月~2018年12月に新版K式発達検査2001(以下K式)を2回以上実施した30名。初回検査時の平均年齢2歳0ヶ月(1歳6ヶ月~2歳8ヶ月)、2回目検査時の平均年齢3歳2ヶ月(2歳11ヶ月~4歳2ヶ月)。方法:検査時の集団参加状況と発達検査結果の関連を検討した。K式は標準(DQ85以上)、境界(70~84)、遅れ(69以下)とした。【結果】初回検査時に集団参加していた児は17名(56.7%)であった(保育園10名、療育機関1名、プレ幼稚園1名、その他5名)。集団参加していた児の発達検査結果は、全領域DQは標準8名(47.1%)、境界5名(29.4%)、遅れ4名(23.5%)であった(平均82.7)。2回目の検査時に集団参加していた児は25名(83.3%)であった(保育園・幼稚園16名、療育機関6名、プレ幼稚園4名、その他3名。複数回答あり)。集団参加していた児の発達検査結果は、全領域DQ は標準11名(44%)、境界域9名(36%)、遅れ5名(20%)であった(平均84.6)。【結論】平成25年度の厚生労働省の調査によると、0~2歳で保育園を利用する児は約3割、3歳で保育園、幼稚園に就園している児は86.1%とされる。今回の調査では3歳までに保育園を利用している児の割合はFontan術後患者でも一般的な割合と大きく変わらず、発達早期から集団参加する児がいることがわかった。しかし保育園、幼稚園に限った場合2回目の検査時に就園している児は53.3%であり、一般的な割合を下回っていた。発達に遅れが見られる児もおり、療育機関の利用も見られた。発達早期から検査を通して適切な機関へつなぐことも重要と考える。