[II-YB01-03] 新生児・乳児早期ファロー四徴症における早期経皮的肺動脈弁形成術
Keywords:カテーテル治療, Fallot四徴症, 肺動脈弁
【目的】新生児および乳児早期(生後60日以内)のファロー四徴症(TOF)における早期経皮的肺動脈弁形成術(BPV)の効果を明らかにする。
【方法】2006年以降入院した新生児・乳児早期TOF49例中、チアノーゼの有無に関わらず、肺動脈弁輪径Z値≦-2.00であった36例を対象とした。同意を得た31例に対して早期BPVを実施した。生後6か月以内の外科的治療介入回避をエンドポイントとして、治療効果の有無による2群間で肺動脈弁輪径Z値や漏斗部形態等を比較検討した。漏斗部形態は造影所見から重症(漏斗部長の1/3に狭窄あり),中等症~軽症(それ以外)に分類した。
【結果】BPV実施日齢19 (14-33) 、体重3.34 (3.02-3.65) kg、酸素飽和度87 (81-91) %、肺動脈弁輪Z値-3.56(-4.15--2.62)、PA index128 (102-157) mm2/m2、バルーン径/肺動脈弁輪径比1.45 (1.34-1.54)であった。全例手技は成功し、16例(52%)で有効であった。治療効果有無に関する2群間比較では、日齢(P=0.127)、体重(P=0.058)、酸素飽和度(P=0.075)、肺動脈弁輪径Z値(P=0.827)、PA index(P=0.835)、バルーン径/肺動脈弁輪径比(P=0.514)に有意差はなかった。しかし漏斗部形態(重症:中等症~軽症,8:8vs13:2, P=0.034) に有意差を認めた。漏斗部重症狭窄例でもチアノーゼのない(酸素飽和度≧90%)7例において生後30日以内に予防的にBPVを実施し、5例(71%)で6か月以内の外科的治療介入を回避できた。
【考察】新生児・乳児早期TOFにおける早期BPVは約半数で早期外科適治療介入を回避する効果があり、漏斗部形態が治療効果に影響していた。漏斗部形態が重症狭窄例では、生後チアノーゼがなくとも漏斗部狭窄が進行する前にBPVを行う必要があるかもしれないと考えた。
【方法】2006年以降入院した新生児・乳児早期TOF49例中、チアノーゼの有無に関わらず、肺動脈弁輪径Z値≦-2.00であった36例を対象とした。同意を得た31例に対して早期BPVを実施した。生後6か月以内の外科的治療介入回避をエンドポイントとして、治療効果の有無による2群間で肺動脈弁輪径Z値や漏斗部形態等を比較検討した。漏斗部形態は造影所見から重症(漏斗部長の1/3に狭窄あり),中等症~軽症(それ以外)に分類した。
【結果】BPV実施日齢19 (14-33) 、体重3.34 (3.02-3.65) kg、酸素飽和度87 (81-91) %、肺動脈弁輪Z値-3.56(-4.15--2.62)、PA index128 (102-157) mm2/m2、バルーン径/肺動脈弁輪径比1.45 (1.34-1.54)であった。全例手技は成功し、16例(52%)で有効であった。治療効果有無に関する2群間比較では、日齢(P=0.127)、体重(P=0.058)、酸素飽和度(P=0.075)、肺動脈弁輪径Z値(P=0.827)、PA index(P=0.835)、バルーン径/肺動脈弁輪径比(P=0.514)に有意差はなかった。しかし漏斗部形態(重症:中等症~軽症,8:8vs13:2, P=0.034) に有意差を認めた。漏斗部重症狭窄例でもチアノーゼのない(酸素飽和度≧90%)7例において生後30日以内に予防的にBPVを実施し、5例(71%)で6か月以内の外科的治療介入を回避できた。
【考察】新生児・乳児早期TOFにおける早期BPVは約半数で早期外科適治療介入を回避する効果があり、漏斗部形態が治療効果に影響していた。漏斗部形態が重症狭窄例では、生後チアノーゼがなくとも漏斗部狭窄が進行する前にBPVを行う必要があるかもしれないと考えた。