[II-YB01-04] 肺静脈閉塞性病変への取り組み ーカテーテルインターベンショニストはどう戦うかー
キーワード:PVO, Coveredステント, 高耐圧バルーン
【背景】複数回の外科手術でも狭窄解除できなかった肺静脈は予後不良である。また、カテーテルインターベンション(CI)の効果は一時的であると報告されている。【目的】難治性肺静脈狭窄に対するCIの役割、新しい展望について考察する。【対象】複数回手術を行った難治性肺静脈狭窄合併先天性心疾患6例(単心室3例。総肺静脈還流異常単独2例。進行性肺静脈狭窄1例)のうちCIを行った5例(11手技)。【経過】症例1.静脈管ステント留置を行った下心臓型総肺静脈還流異常合併単心室。生後4週で人工心肺下肺静脈還流異常解除術を行った。症例2.混合型総肺静脈還流異常合併単心室。外科手術、ステント留置、バルーン拡張(高耐圧バルーンにより良好に拡張された病変あり)を繰り返しフォンタン手術に到達した。症例3.フォンタン手術後に肺静脈狭窄が進行した単心室。ステント留置2年後に外科的解除を2回行った。症例4.2回の外科手術後に開胸下肺静脈ステント(径5mm)留置するも肺静脈閉塞進行し、生後8ヶ月時に死亡した。症例5.大動脈縮窄術後に進行した肺静脈狭窄。2回の外科的解除後に開胸下にゴアテックスパッチを装着したハンドメイドCoveredステント(径7mm)を開胸下に留置した。1年8ヶ月経過したが良好な開存状態を維持している。【考察】・肺静脈に対するステント留置は、末梢肺静脈や体格の改善を含めた理想的な手術時期までの待機としての意味合いが強い。・比較的口径の大きいCoveredステント留置は恒久的な治療となり得る。・高耐圧バルーンにより良好に拡張できる肺静脈病変が存在する。【結語】難治性肺静脈狭窄に対するCIの役割を十分理解し適切に行うことが生命予後改善に繋がる。肺静脈に対するCoveredステントは強力なデバイスになる可能性がある。