[II-YB01-05] 先天性心疾患に対するカテーテル治療デバイスの導入促進にむけて私たちができること;第二報
Keywords:カテーテル治療, 先天性心疾患, デバイス
【緒言】演者らは2017年の本学会で先天性心疾患に対するカテーテル治療デバイスの導入促進に向けてアカデミアができることにつき報告した。【対象と方法】新たな取り組みとして、革新的医療機器条件付き早期承認制度、HBD-Childrenを通じた日米協調、新たな医師主導治験などの現状と課題について検討した。【結果】1.革新的医療機器条件付き早期承認制度は、以下の条件を満たす品目について早期の実用化を促進する事業である。ア. 生命に重大な影響がある疾患又は病気の進行が不可逆的で日常生活に著しい影響を及ぼす疾患を対象とすること。 イ. 既存の治療法、予防法若しくは診断法がないこと、又は既存の治療法等と 比較して著しく高い有効性又は安全性が期待されること。 ウ. 一定の評価を行うための適切な臨床データを提示できること。 エ. 関連学会と緊密な連携の下で、適正使用基準を作成することができ、また、 市販後のデータ収集及びその評価の計画を具体的に提示できること。 オ. 新たな治験の実施に相当の困難があることを合理的に説明できること。この制度を利用してHLHSとその類縁疾患に対するPDAステント、新生児機能的単心室の重度狭窄性心外型TAPVCに対するステント、経皮的肺動脈弁などの承認申請に取り組んでいる。認定条件のハードルと承認申請のための費用が問題となっている。2.HBD-ChildrenではHarmony弁の日米共同治験が進行中である。ADO IIは米国の治験データによりわが国で承認され、ADO II ASも同様の方法で承認申請が予定されている。日米による医療環境の相違、承認条件のすり合わせ、承認後のデータ収集などが課題である。3.企業の支援による医師主導治験という新たな枠組みにより、心室中隔欠損閉鎖栓の治験を計画している。【考察】新たな制度や枠組みの出現により、承認申請の可能性は広がっている。しかし、費用対効果の不利な希少機器では依然、承認に至るハードルは高い。