[II-YB03-03] 心電図12誘導Average波形を用いた先天性心疾患心房性不整脈発症の評価について
Keywords:Average波形, 先天性心疾患, 心房性不整脈
[Background] 先天性心疾患(CHD)例の長期予後が可能となってきたが心房性不整脈(Atrial Arrhythmias, AA)の発症リスクは高い. [Purpose] 12誘導心電図を同時記録し時制を一致させたAverage波形とCHDに合併するAAとの関連性について検討する.[Subjects and Methods]対象は34例の術後を含めたCHD例.median age 14y (5-19).疾患はTOF, DORV+PS術後(2心室治療19例, TCPC1例) , AVSD術後(根治術3例、姑息術1例), ASD術後(心内修復術2例) , VSD術後(心内修復術2例), TGA術後 (Jatene後2例), TAPVC術後(心内修復術1例), Coronary AV fistula (心内修復術2例), Polysplenia1例.Average波形は日本光電社の心電計を用い12誘導同時記録の時制を一致させた波形を用いTotal P wave duration (TPD, ms), およびTotal P wave area (PWA,mm2)を計測.心内修復後の不整脈の予測に有用とされるP wave duration (PWD, ms, Max P duration-Min P duration)も計測した.結果はmedian (IQR)で示し統計学的処理はEZRを用いP<0.05*以下を有意差ありとした.[Result] 年齢とPWD (r=0.445*), TPD(r=0.452*) は有意な正相関を認めた. PWDとTPDについても有意な正相関(r=0.435*)を認めた.今回5例にAA(AF4例、PAT1例)を認めた.AA発症した群の発症前後におけるPWD, TPW, PWAの比較では,これら3つの指標で有意な差を認めた[AA群 vs non AA群: PWD*; 45 (33-50) ms vs 18 (15-24) ms, PWA*;9.24 (5.56-11.54) mm2 vs 4.64 (3.74-5.47) mm2, TPW*; 133.1 (114.1-135.0) ms vs 97.9ms (92.8-115.4)]. [Conclusion] Average波形は新たな心電図評価であり、この指標はCHDに合併するAAを予測できる可能性があると思われる.