[II-YB03-05] 左室内非同期と心室間非同期を伴い、左室駆出率が低下したB型顕性WPW症候群にカテーテルアブレーションを行なうと、心機能が回復する
Keywords:WPW症候群, カテーテルアブレーション, dyssynchrony
【背景】心室非同期により心機能が低下する顕性B型WPW症候群(以下B型WPW)が存在することは知られているが、まとまった報告は少ない。【目的】心機能が低下したB型WPWに対するカテーテルアブレーション(ABL)の効果について検討する【対象と方法】B型WPWのうち、MモードCUBE法にて左室駆出率(LVEF)が55%未満に低下した4症例(男1女3、年齢中央値5.04(1.3~7.08)、体重中央値16.0(8.64~20.0))を発見した。 これら4症例につき術前とABL後3~8ヶ月での心電図、心エコーの各パラメータ中央値の変化と、症状改善の有無を評価した。【結果】心臓電気生理検査により2例は順行性AVRTが誘発されたが、2例は誘発されなかった。アブレーション前後でPR時間は83から145msに延長し、QRSは147から106msに短縮した。心エコーではLVEFは44.1から68.1%に改善した。 次にSPWMDは255から48msに短縮、Speckle tracking Radial strain delay indexは155から61.5msに短縮し、左室内同期不全の改善が示唆された。更にLV-PEPは118から73msに、IVMDは49.5から7.5msに短縮し、右室-左室間の心室間非同期の改善も示唆された。治療前から症状のなかった1例を除き、3例は食事量が増える、活発になるなどの他覚症状の改善が認められた。【結論】LVEFの低下したB型WPWは左室内非同期のみならず、心室間非同期も呈しており、カテーテルアブレーションにていずれも改善が認められた。 B型WPWでは心エコーによるLVEFに加え、左室内非同期や心室間非同期に注意をはらうべきであり、これらが認められた場合、カテーテルアブレーションによる効果が期待できる。