[III-OR31-04] Fontan術後小児の概日リズム・自律神経活動は、ファロー四徴症や健常児と異なるか?
Keywords:Fontan, ファロー四徴症, 最低心拍数
【背景】Fontan術後患者(Fontan)の中に起立不耐性や起床困難を来す症例が散見され、生活の質の低下や予後悪化につながることが懸念される。Fontan術後小児の概日リズム・自律神経活動は、ファロー四徴症(TOF)や健常児(CON)と異なるという仮説を検証する。
【方法】ホルター心電図を記録した学童以上の小児で、年齢をマッチさせた各群10名を抽出し、平均・最小心拍数、入眠時刻、最小心拍数をとる時刻、自律神経活動を反映する心拍変動解析指標を比較検討した。CONは、健診スクリーニングを経て受診し、器質的心疾患を認めない児とした。
【結果】年齢の中央値はFontan、TOF、CONで、11.0、12.0、11.0歳。平均心拍数の平均はそれぞれ、80.2、80.1、82.0 bpmとほぼ同等であったが、最小心拍数は、51.3、56.5、59.4 bpmとFontanで低い傾向を認めた。就寝時刻は22.6、22.4、23.2時と変わらなかったが、最小心拍数をとる時刻は、3.4、4.6、3.0時とTOFで朝方(後方)の傾向を認めた。心拍変動による交感神経活動指標LF/HFの中央値は0.8、1.1、1.3とFontan群で低く、副交感神経活動指標HFは1813、573、1627とTOFで低い傾向であった。
【結論】Fontanでは副交感神経優位で低い夜間心拍数をとる傾向を認めた。各群の生活リズムには大きな相違を認めなかったが、交感神経バランスの高いTOF群で最小心拍数の時刻は朝方にシフトした。個人の要因と群間の相違をより明らかにするため、より多数例で検討を行い、有症状例への最適な生活指導の基盤としたい。
【方法】ホルター心電図を記録した学童以上の小児で、年齢をマッチさせた各群10名を抽出し、平均・最小心拍数、入眠時刻、最小心拍数をとる時刻、自律神経活動を反映する心拍変動解析指標を比較検討した。CONは、健診スクリーニングを経て受診し、器質的心疾患を認めない児とした。
【結果】年齢の中央値はFontan、TOF、CONで、11.0、12.0、11.0歳。平均心拍数の平均はそれぞれ、80.2、80.1、82.0 bpmとほぼ同等であったが、最小心拍数は、51.3、56.5、59.4 bpmとFontanで低い傾向を認めた。就寝時刻は22.6、22.4、23.2時と変わらなかったが、最小心拍数をとる時刻は、3.4、4.6、3.0時とTOFで朝方(後方)の傾向を認めた。心拍変動による交感神経活動指標LF/HFの中央値は0.8、1.1、1.3とFontan群で低く、副交感神経活動指標HFは1813、573、1627とTOFで低い傾向であった。
【結論】Fontanでは副交感神経優位で低い夜間心拍数をとる傾向を認めた。各群の生活リズムには大きな相違を認めなかったが、交感神経バランスの高いTOF群で最小心拍数の時刻は朝方にシフトした。個人の要因と群間の相違をより明らかにするため、より多数例で検討を行い、有症状例への最適な生活指導の基盤としたい。