[III-OR32-01] 急性期川崎病患者に対する免疫グロブリン使用に関するアンケート調査
Keywords:川崎病, 免疫グロブリン, 全国調査
【背景】川崎病(KD)急性期においては免疫グロブリン超大量療法(IVIG)が標準的治療として広く用いられているが、免疫グロブリン製剤の選択や投与スピードについては各施設に委ねられている。【目的】KD急性期治療における免疫グロブリン使用に関する全国の現状を把握することを目的とした。【対象と方法】2018年7月から10月に第24回川崎病全国調査において対象となった1814施設にアンケートを郵送し調査を行った。【結果】アンケートの回答率は73.2%(1328施設)であり、952施設で治療が行われた。免疫グロブリン静注時間は24時間が684施設(70%)、24時間以上が37施設(4%)、24時間以下が196施設(20%)、まず1g/kg投与する施設が20施設(2%)、その他が36施設(4%)であった。静注速度については0.03ml/kg/minが729施設(76%)、0.06ml/kg/minが135施設(14%)、その他が98施設(10%)であった。免疫グロブリン投与中の輸液量は維持量が103施設(10%)、維持量以下が331施設(34%)、なしが488施設(50%)、その他が62施設(6%)であった。使用製剤はA社製剤が386施設(32%)、B社5%製剤が375施設(31%)、B社10%製剤が22施設(2%)、C社製剤が221施設(18%)、D社5%製剤が91施設(7.5%)、D社10%製剤が116施設(9.5%)であった。10%製剤の使用については、「使用しており今後も使用する」が140施設(14.5%)、「使用しているが5%製剤に戻す」が11施設(1%)、「使用していないが使用してみたい」が430施設(44%)、「使用するつもりはない」が395施設(40.5%)であった。投与速度が5%製剤と同様が404施設(43%)、5%製剤より速度を落とす施設が298施設(31.5%)、回答不可が242施設(25.5%)であった。(いずれも複数回答可)【まとめ】2013年に免疫グロブリン10%製剤が導入されて5年が経過したが、10%製剤の普及率は138施設(14.4%)にとどまった。今後は、10%製剤の至適投与速度、IVIG不応例の発生頻度、冠動脈予後に与える影響等について検討を行いたい。