[III-OR35-04] 当院におけるTCPC conversionの成績および遠隔期イベントの検討
Keywords:TCPC conversion, Fontan型手術, 遠隔期
【背景・目的】単心室の機能的修復術として,従来APC法やLT法などのFontan型手術が行われてきたが,遠隔期における右房拡大とそれに伴う頻脈性不整脈,血栓形成などが問題となっている.このような症例に対してTCPC conversionを施行しており,今回当院におけるTCPC conversionの成績および遠隔期イベントについて検討した.
【対象】当院開設から2019年1月までの26年間に,TCPC conversionを施行した12例.
【結果】8例:男性,原疾患内訳,TA:7例,SV 3例,Asplenia/AVSD/TGA:2例.初回Fontan型手術(APC:6例,LT:6例)施行年齢は3.3歳(11ヶ月-12歳11ヶ月),TCPC施行時年齢は19.8歳(4歳10ヶ月-39歳1ヶ月).初回Fontan型手術を当院で施行した症例は7例.conversionまでの期間15.4年(3年10ヶ月-26年2ヶ月).conversionの主要因は,右房拡大:4例,不整脈:4例,心不全:4例.術前NYHA1度:8例,2度:4例.手術時間:582±222分,人工心肺時間:162±58.1分,大動脈遮断時間:43.5±29.5分.同時手術として,Mazeを含む不整脈手術:6例,VSD拡大:1例,弁形成:1例.平均ICU滞在期間:4日(1-11日),平均入院期間:22日(13-63日).周術期合併症は不整脈5例(PAC:2例,PVC:1例,JR:1例,cAVB:1例),創部感染1例.周術期死亡なし.術前後の心臓カテーテル検査では,混合静脈血酸素飽和度が有意に上昇(術前:64.3±6.3%,術後71.1±4.2%,p<0.05),体血流量Qsが有意に上昇(術前:2.31±0.51L/min,術後:3.02±0.61L/min,p<0.05). CVPは有意な変化を認めなかった(術前:10.2±1.7mmHg,術後10.8±4.1mmHg).conversion後観察期間は8.1年(1年-12年3ヶ月)で遠隔期死亡なし.術後全例NYHA 2度以下で経過しており,就学や仕事につき社会生活を送っている.
【結論】当院におけるTCPC conversion症例を検討した.術前後のおける心臓カテーテル検査の結果から,より良いFontan循環への転換が果たせており,自覚症状やQOLの改善が認められている.
【対象】当院開設から2019年1月までの26年間に,TCPC conversionを施行した12例.
【結果】8例:男性,原疾患内訳,TA:7例,SV 3例,Asplenia/AVSD/TGA:2例.初回Fontan型手術(APC:6例,LT:6例)施行年齢は3.3歳(11ヶ月-12歳11ヶ月),TCPC施行時年齢は19.8歳(4歳10ヶ月-39歳1ヶ月).初回Fontan型手術を当院で施行した症例は7例.conversionまでの期間15.4年(3年10ヶ月-26年2ヶ月).conversionの主要因は,右房拡大:4例,不整脈:4例,心不全:4例.術前NYHA1度:8例,2度:4例.手術時間:582±222分,人工心肺時間:162±58.1分,大動脈遮断時間:43.5±29.5分.同時手術として,Mazeを含む不整脈手術:6例,VSD拡大:1例,弁形成:1例.平均ICU滞在期間:4日(1-11日),平均入院期間:22日(13-63日).周術期合併症は不整脈5例(PAC:2例,PVC:1例,JR:1例,cAVB:1例),創部感染1例.周術期死亡なし.術前後の心臓カテーテル検査では,混合静脈血酸素飽和度が有意に上昇(術前:64.3±6.3%,術後71.1±4.2%,p<0.05),体血流量Qsが有意に上昇(術前:2.31±0.51L/min,術後:3.02±0.61L/min,p<0.05). CVPは有意な変化を認めなかった(術前:10.2±1.7mmHg,術後10.8±4.1mmHg).conversion後観察期間は8.1年(1年-12年3ヶ月)で遠隔期死亡なし.術後全例NYHA 2度以下で経過しており,就学や仕事につき社会生活を送っている.
【結論】当院におけるTCPC conversion症例を検討した.術前後のおける心臓カテーテル検査の結果から,より良いFontan循環への転換が果たせており,自覚症状やQOLの改善が認められている.