[III-OR37-05] カテーテルアブレーション後に心室中隔基部の瘤状変化が改善したWPW症候群B型の1例
Keywords:WPW症候群, 壁運動異常, 瘤状変化
【背景】WPW症候群では副伝導路が心機能に影響を与え,拡張型心筋症様の心機能低下を合併する症例もある。特に右側副伝導路の症例では心室中隔基部の瘤状変化,壁運動異常を認める症例が報告されている.今回,カテーテルアブレーション後の経過で心室中隔基部の瘤状変化が改善したWPW症候群B型の1例を報告する.【症例】9歳,女児.生来頻脈発作を疑うエピソードなし.小学校入学時の検診でWPW症候群B型を指摘されA病院受診.左室の拡大,収縮低下を認めるということで6歳6ヵ月に当院紹介受診となった.心電図ではδ波を認め、V1,2でrSパターンであることからWPW症候群B型と診断.心エコーではLVDd 155% of normal,LVFS 0.17と左室の拡大,心収縮低下を認め、そして心室中隔基部の心筋菲薄化,瘤状変化と同部の奇異性運動も認めた.心筋血流シンチでは同部に有意な集積低下は認めず,冠動脈の走行異常も認めなかった.瘤状変化の原因がWPW症候群の副伝導路である可能性を考えB病院に相談.6歳10ヵ月に同院でカテーテルアブレーション(CA)が施行されδ波は消失した.CA後,瘤状変化,心収縮低下は経時的に改善し,9歳(アブレーション後2年))のエコーではLVDd 130% of normal, LVFS 0.30と共に改善.中隔基部の瘤状変化、奇異性運動も目立たなくなっていた.【まとめ】心室壁運動異常を認めるWPW症候群B型の症例では頻拍発作の既往なくともカテーテルアブレーションを検討してもよいと考える.