[III-P75-01] 当院における完全房室中隔欠損症の早期および遠隔成績
Keywords:外科治療, 完全房室中隔欠損症, 遠隔成績
【背景】当院における完全房室中隔欠損症(CAVSD)に対する手術戦略は、乳児期早期における組織の脆弱性を考慮し、基本的に肺動脈絞扼術(PAB)を先行し体重増加を待ってから二期的に心内修復術を行う方針としている。心内修復術式はTwo patch methodを基本としている。【目的】当院におけるCAVSDに対する心内修復術後早期および遠隔成績について検討し手術戦略と術式の妥当性について検討する。【対象と方法】2000年以降当院においてCAVSD(intermediate AVSDおよびTOF合併を含む)に対し2心室修復を行った34例を対象とした。診療録から後方視的に検討した。【結果】心内修復術時の年齢は16.6±11.1ヶ月、心内修復術時の体重は8.0±2.3kg、症例の50%が男児。既往手術としてPAB24例、動脈管結紮術4例、BTシャント術4例、大動脈形成術1例、ペースメーカー植込み術1例。病型分類はCAVSD(Rastelli A)17例、CAVSD(Rastelli B)1例、CAVSD(Rastelli C)13例、intermediate AVSD3例でTOF合併例4例、CoA合併例1例。21Trisomy7例、多脾症候群3例。心内修復の術式は、Two patch method 30例、One patch method 4例。併施術式は、PA angioplasty 19例、Pulmonary valvotomy 1例。術後観察期間は8.6±5.8年で、手術死亡、遠隔死亡ともに認めなかった。術後合併症は、完全房室ブロック1例、乳び胸2例、創部感染2例、縦隔炎1例。Moderate以上の房室弁逆流が残存しているのは左側房室弁で6例、右側房室弁で10例。両側房室弁逆流で再手術となった症例を2例(うち1例はRastelli B症例)認めた。【結論】における当院におけるCAVSDに対する手術治療は、二期的修復の方針とTwo patch methodにより良好な早期および遠隔成績が得られた。