第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスターセッション

複雑心奇形

ポスターセッション78(III-P78)
複雑心奇形 3

Sat. Jun 29, 2019 1:00 PM - 2:00 PM ポスター会場 (大ホールB)

座長:山澤 弘州(北海道大学病院 小児科)

[III-P78-01] 共に気管形態の異常と肺静脈狭窄所見を認めた無脾症候群の兄弟例

河井 悟1, 山田 佑也1,2, 鈴木 孝典1,2, 伊藤 諒一1, 郷 清貴1,2, 鬼頭 真知子1,2, 森 啓充1, 岡田 典隆3, 森鼻 栄治2, 安田 和志1, 村山 弘臣3 (1.あいち小児保健医療総合センター 循環器科, 2.あいち小児保健医療総合センター 新生児科, 3.あいち小児保健医療総合センター 心臓血管外科)

Keywords:無脾症候群, 兄弟, 気管異常

【症例1】妊娠経過中に異常を指摘されず。母体前期破水あり。反復帝王切開のため、前医に母体搬送され帝王切開で出生。35週0日、2261g。出生後、内臓錯位、心奇形を指摘され、当センターに新生児搬送。Asplenia Dextrocardia, AVD, fSRV, DORV, PA,MA, RAA, ASD, TAPVC(2b)と診断。気管支は両側気管気管支(いわゆる「大」の字の形態)であった。生後58日にRt.mBTS施行。生後6カ月時BDG施行。TCPCのカテーテル検査ではPAWPとLVEDPの間に約5mmHg程度の圧較差を認めるも明らかなPVOはないと判断。生後1歳3カ月にTCPC施行。術後カテーテル検査では2歳4カ月時PAP 19, PAWP 13, LVEDP 11。3歳5月時PAP 17, PAWP 13, LAP 4。3歳6カ月時にPVO解除術を行った。【症例2】胎児期に内臓錯位を指摘。切迫早産徴候あり、近医周産期センターで分娩管理。36週0日、2780g。予定帝王切開で出生後当センターに新生児搬送。Asplenia, fSRV, DORV, MA, PA, RAA, ASD, TAPVC(Ib)と診断。PVOがあり。日齢1垂直静脈にステント留置(Multi Link 4×12mm)を施行。その際の麻酔中に気管狭窄を診断(その後入院中呼吸器設定は高い陽圧を要した)。施術後もPVO所見残存。日齢11および23ステント部位バルン拡張術施行。日齢27壊死性腸炎発症。日齢28結腸部分切除・人工肛門造設術施行。日齢49 TAPVCrepair+Lt.mBTS施行。術後Rt.PVO出現。2回のバルン拡張術後、日齢106外科的解除術施行。日齢109換気・循環動態悪化あり、ECMO装着。6日で離脱したが換気条件はHFOで高い圧を必要するなど改善は見通せず。日齢123永眠。