[III-P78-05] 当院における純型肺動脈閉鎖
Keywords:純型肺動脈閉鎖, RF wire, Brock
【背景】当センターでは純型肺動脈閉鎖(PAIVS)に対して2015年以前、右室拡張末期容積(RVEDV)が正常比70%を超える症例に対して3か月以降のBrock術を初回手術の方針としてきた。2015年以降新生児期の右室減圧術を2例で施行した。【方法】1992年-2017年の当院でのPAIVS 35症例の治療方針/転帰に関して後方視的に検討した。【結果】年齢は1歳5か月-26歳2か月(中央値13歳)。1例が死亡。修復形態は2心室修復(B群)6例、1.5心室修復(O群)6例、21例が単心室修復(F群)21例で、待機中1例。出生後の三尖弁輪径(TVD、正常比)はB群 88% (74 to 103%), O群 87% (73 to 112 %), F群 55% (28 to 80%)であり,TV z-scoreはB群 -0.71 (-1.18 to -0.12), O群 -0.62 (-1.58 to 0.89), F群 -3.12 (-0.88 to -7.7) であった。初回評価時のRVEDV(正常比)はB群 61.5% (40 to 106%), O群 54% (31 to 60%), F群 30% (6 to 48%) であった。2015年以降右室減圧術施行した1例はBrockを施行し1.5心室修復終了,1例はRF wireで経皮的肺動脈形成術を施行し1.5 / 2心室修復待機中である。TVD, TV/MV ratio,初回RVEDVは各々112% / 80%, 0.89 / 0.70, 69% / 74%であった。F群の内右室がtripartileは7/21症例,その中で出生時のTVD>70%, RVEDV>30%で右室依存性冠動脈のなかったのは3/7症例あった。【考察】TVD 正常比>60%, TV z-score>-3であれば新生児期の介入で二心室治療を目指せている報告も多い。当院では右室容量を治療方針の判断材料としてきたが、出生時のTV z-scoreの観点から見るとF群の中でTV z-score>-3は9/21症例あった。新生児期に右室減圧を試みることで三尖弁, 右室容量の成長を促せる可能性がある。RF wireが導入され当センターでも、初回手術として経皮的バルーン肺動脈弁形成術を開始しており、より積極的な1.5/2心室修復を目指した治療戦略を構築したい。