[III-P80-03] 心室中隔欠損精査を契機に幼児期に診断されたSCN5A変異を伴うBrugada症候群の1例
Keywords:Brugada症候群, SCN5A変異, 線維化
【背景】小児でのBrugada症候群の報告は少なく、病理組織像が得られた報告は非常に稀である。今回Brugada型心電図を認めた2歳児に対して遺伝学・病理学的精査を行ったので報告する。【症例】2才男児。生後半年で心雑音を指摘され精査目的に当院紹介。心室中隔欠損として経過観察。体重増加不良、心拡大を認めたため手術適応評価目的のカテーテル検査を2才時に実施。その際にBrugada type 1心電図に気づいた。Qp/Qs 2.0と手術適応であり心内修復術を施行した。その際に右室流出路の心室壁を貫壁性に採取した。病理所見では間質に軽度の線維化を認めた。遺伝子検査では本人と父にSCN5A c.1099C>A, R367S変異を認めた。未報告の変異であるが、pore領域であり病原性があると予測された。父の安静時心電図ではBrugada型心電図を認めておらず、不整脈イベントもない。【結論】Brugada型心電図を示す2歳男児にSCN5A変異がみられた。病理所見では伝導遅延を起こすような重度の線維化は認めていない。現在不整脈イベントの既往はないが、注意深い観察が必要である。無症候の父に関しても精査が必要である。