第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスターセッション

成人先天性心疾患

ポスターセッション82(III-P82)
成人先天性心疾患 5

Sat. Jun 29, 2019 1:00 PM - 2:00 PM ポスター会場 (大ホールB)

座長:松尾 浩三(千葉県循環器センター)

[III-P82-05] 集約的治療により移植待機を回避できた修正大血管転位症の1例

狩野 実希 (さいたま赤十字病院 循環器内科)

Keywords:心臓リハビリテーション, 心臓再同期療法, 成人移行期医療

【背景】修正大血管転位症の術後遠隔期の体心室右室機能不全における有効な治療法は確立されていない。【症例】症例は修正大血管転位症、肺動脈閉鎖に対するconventional Rastelli手術後の21歳男性。マラソン中の心肺停止で蘇生された際、右室機能低下、三尖弁逆流の進行が認められたため、16歳時に機械弁による三尖弁置換術を施行した。同時に完全房室ブロックに対し恒久的ペースメーカー植込みを行ったが、心房電位が得られず心室リードのみ留置した。術後も低心機能、人工弁機能不全による重症慢性心不全のため心臓移植待機となった。通学は断念し自宅療養にて極めて安静な日常生活を余儀なくされ、運動耐容能は極めて低い状態であった。成人期移行医療ため20歳で当院に紹介となった。心室ペーシングによる同期不全、心拍応答不良を改善するため、経静脈的にCRT-Dへのアップグレードを行った。並行して心臓リハビリテーションを開始し、週2回の通院リハビリによる運動習慣の獲得と生活指導をおこなった。半年で著明な運動耐容能改善を認め、移植適応から外れ、利尿剤の減量が可能であった。【結語】移行期医療を機に、短期間での集約的治療により移植待機を回避できるまでの改善が得られた。