第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスターセッション

心血管危険因子・学校保健

ポスターセッション89(III-P89)
心血管危険因子・学校保健

Sat. Jun 29, 2019 1:00 PM - 2:00 PM ポスター会場 (大ホールB)

座長:澤田 博文(三重大学大学院医学系研究科 麻酔集中治療学)

[III-P89-05] 小学生対象の一次救命処置講習を行った後に生徒およびその家族に行った胸骨圧迫とAEDの実践に関わるアンケート調査の結果の検討

岡 達二郎 (東浦平成病院)

Keywords:一次救命処置, 義務教育, AED

(背景・目的)義務教育課程における心肺蘇生教育は、中学校の学習指導要領に盛り込まれているがautomated external defibrillator(以下AED)については必要に応じて程度であり、小学生では心肺蘇生については取り扱い自体がないのが現状である。今回、大阪ライフサポート協会が行っているPUSH projectの手法を導入して、胸骨圧迫とAEDの実践講義を小学6年生44名に行う機会を得た。また、対象児童とその保護者に一次救命処置に関するアンケートを行ったので今回報告する。(方法)実習は、映像DVDの解説を見ながら、全員に圧迫練習およびAED装着のための模型を貸し出して、50分かけて行う実習型講義である。生徒に対するアンケートは無記名で、学校の授業内で行った。質問は4つ、(1)胸骨圧迫とAEDの手法の獲得、(2)これまでの一次救命講習受講経験、(3)今後、蘇生現場に出くわしたときに実際行えるか、(4)講習の再履行の意思、について設問した。同様の質問を保護者にも行った((4)の質問は、受講希望の意思に変更)。児童にアンケート用紙を預け、記載分のみ回収した。(結果)講習時は、前もって担任に実際の蘇生術手技の助手をお願いすることで、滞りなく行うことができた。質問紙の回答に関しては、児童には講習後であったため、(1)、(3)、(4)は全員が“はい”と答えた。一方、(2)については4.5%のみ受講経験があった。保護者については、回収率は64%であり、”はい”と答えた率は、それぞれ(1)32%、(2)75%、(3)43%、(4)86%であった。(考察・結論)小学高学年では十分心肺蘇生講習の内容理解ができると考えられた。今後生徒には講習半年が経過した時点で、同じアンケートを取る予定である。家族への一次救命講習受講の希望が高いことが判明したので、学校の授業だけでなく、今後、親子で学べる講習形式も模索していく。