第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

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ポスターセッション

肺循環・肺高血圧

ポスターセッション94(III-P94)
肺循環・肺高血圧 8

Sat. Jun 29, 2019 1:00 PM - 2:00 PM ポスター会場 (大ホールB)

座長:大崎 真樹(静岡県立こども病院 CCU)

[III-P94-01] 当院における慢性肺疾患に合併した肺高血圧症の後方視的検討

宮本 辰樹 (福岡大学病院 小児科)

Keywords:肺高血圧症, 遠隔期, 慢性肺疾患

【背景】超低出生体重児の約30%に慢性肺疾患(CLD)を発症するといわれている.また,CLDの37%に肺高血圧症(PH)を合併するという報告がある.近年の新生児医療の進歩により,超低出生体重児の生命予後は格段に向上した.その一方で慢性肺疾患に合併した肺高血圧症(CLD-PH)の頻度が増えており,遠隔期にPHクリーゼを来した報告が散見されるようになった.当院におけるCLD-PH症例の検討を行ったので,報告する.【方法】2005年から2017年に当院NICUへ入院した患者のうち,慢性肺疾患と診断した症例は,他院からの転院を除き183例であった.このうち中期~遠隔期に心電図で右室肥大を認める,もしくは心エコー検査で右室圧の上昇を認めるものをPHありと判断した.PH症例に関して,在胎週数,入院期間,出生体重,羊水過少・絨毛膜羊膜炎・無呼吸発作の有無,人工呼吸管理期間,酸素投与日数,心疾患の有無,肺血管拡張薬の使用,在宅酸素の有無などについて,診療録より後方視的に検討した.【結果】CHD-PH症例は13例であった.遠隔期にPHクリーゼを来した症例はなかった.【結語】CLD-PHは感染を契機にPHクリーゼを来し,致死的となりうる.PHを発症しなかった症例も含め,発症リスクなどの予後に関する前方視的観察研究が必要である.