[III-P96-03] Pressre-Volume Loopを用いた小児心不全患者の心筋Stiffness評価のチャレンジ
Keywords:PV LOOP, 心臓カテーテル, 心機能
【はじめに】不全心の心機能予後に心筋の繊維化が注目され、心筋のstiffnessを評価する事が重要であるが、小児において直接的にそれを評価するモダリティーは少ない。【目的】2017年よりPVコンビネーションカテーテル(PVカテ)(CD LEYCOM社)が保険償還された。体格の小さい小児Pressure-Volume Loop (PV Loop)を描き、心筋stiffnessを評価できるか検討した。【方法】対象はVSD術後1例(6歳、20kg)、DCM3例(8歳25kg、13歳25kg、15歳55kg)であった。呼吸変動によるP-V Loopの乱れを防ぐために、全身麻酔下で検査を施行した。大腿静脈(FV)に7fr、大腿動脈(FA)に5fr、内頸静脈(IJV)に5frのシースを留置した。FVから7frのIVC オクルージョンバルーンカテーテルを挿入し、FAとIJVから5frロングシースを挿入し、それをガイドとして4frPVカテを、LVとRVへ到達させた。呼吸停止下でPVloopを獲得し、off-lineでシグマ5DF プラス(CD LEYCOM社)を使用し解析した。【結果】LVのPV Loopが得られたのは3例、そのうちIVC occlusionにてESPVRが得られたのは2例。RVのP-V Loopが得られたのは3例、ESPVRが得られたのは3例であった。6歳のVSD術後患児比較的体格が小さかったが、良質なPV Loopが得られた。PVカテが左室心尖部に挿入することができなかった症例がPV loop失敗例であった。【考察】正確なPV Loopを得るためには、PVカテを心室の心尖部に向けて挿入する必要があるが、小児において左室は特に困難であった。一方で右室はIJVからアプローチすることで比較的容易であった。小児は呼吸静止が難しく全身麻酔で行うのが好ましく検査の敷居は高いが、今後さらなる工夫行い有益なデータ収集を目指していく。