第55回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

心臓血管機能

ポスターセッション97(III-P97)
心臓血管機能 5

2019年6月29日(土) 13:00 〜 14:00 ポスター会場 (大ホールB)

座長:高橋 健(順天堂大学医学部順天堂医院 小児科・思春期科)

[III-P97-02] 左心低形成症候群のTCPC術後遠隔期における右室機能評価 ー右心型単心室症例との比較ー

田中 登1, 瀧聞 浄宏1, 殿村 玲2, 沼田 隆佑1, 米原 恒介1, 大日方 春香1, 小山 智史1, 山田 有希子2, 武井 黄太1, 岡村 達2, 安河内 聰1 (1.長野県立こども病院 循環器小児科, 2.長野県立こども病院 心臓血管外科)

キーワード:左心低形成症候群, 右心機能, TCPC

【背景】左心低形成症候群(HLHS)のFontan術後(TCPC)の右室機能低下は、予後やその後のイベント発生と密接に関係しているが、経年的変化は不明である。【目的】HLHSのTCPC術後遠隔期の右室機能の経年的変化を評価すること。【対象と方法】TCPCに到達し、右室機能解析が可能であったHLHS18例(年齢15.6±5.0歳)で、NYHAIII 度以上、重度の弁逆流を認めるものは除外した。年齢、性別をマッチした右室型単心室(SRV)のTCPC術後13例を対照とした。TCPC術後経過年数を4群(A群: <5年 n=6、B群: 5-10年 n=9、C群: 10-15年 n=8、D群: 15≦ n=4)に分類し、後方視的に評価した。右室機能の評価項目は心尖部四腔断面から2DSTEでGLS、GLSRs、RVFAC、E/A、E’、E/E’、Tei indexを求めた。使用機器はGE社E9 Vivid7を使用し、解析はofflineのEchoPacを使用した。【結果】HLHSとSRVにおけるRVFACは術後も遠隔期も差は認められなかったが、(HLHS:0.37前後、SRV:0.37前後)、GLSはHLHS-19.1→-14.3(p<0.05)と低下したのに対し、SRV: -19.5→-19.0と変化は認められなかった。GLSRsも同様の経年的変化を示した。HLHSでは左室が大きいほどGLSの経年低下が大きい傾向があった。【結語】HLHSのTCPC術後遠隔期の右室機能評価において、GLS、GLSRsはFACよりも感度が高く、長期予後の有用な指標であるかもしれない。また経年的変化においては瘢痕的左室の影響が重要と考えられる。