[III-PD06-01] Amplatzer Duct Occluderの適応限界
Keywords:patent ductus arteriosus, Amplatzer Duct Occluder, indication
Amplatzer Duct Occluder (ADO)は,ニチノール(ニッケル・チタン合金)のメッシュの内部にポリエステル繊維が縫着されたシルクハット型の形状なしており,遠位端のリテンション・ディスクが放射状に展開して動脈管膨大部の大動脈端に位置し,ディスクを欠いた近位端も肺動脈端開口部を押し広げる(ステンティングする)形で固定される.1998年に初回使用例が報告され,わが国でも2009年より普及している.デバイスの特徴的形状と病変形態との適合性から,最小径2~2.5mm以上のA型(conical)動脈管が最もよい適応とされ,生後6か月未満または体重6kg未満の乳児では推奨されていない.また,B型(window)では大動脈側もしくは肺動脈側への突出,C型(tubular)とE型(elongated)では,デバイスの長さが足りず,ディスクが膨大部内で展開,いわゆるbumpingが起こるなどの非典型的留置となることから,デバイスのサイズ選択や留置位置決定に特別な配慮を要する.一方,両端にディスクを有しプロファイルの小さいADO-II,ADO-IIAS (Amplatzer Piccolo Occluder)では,低出生体重児から乳児期早期の動脈管やC,D,E型の動脈管にも対応できることが報告され,ほとんどすべての動脈管開存が経カテーテル的閉鎖の対象となることが見込まれている.
当院では,2009年~2018年の10年間に97例の経カテーテル的動脈管閉鎖術を施行.塞栓子の内訳は,コイル55例,ADO 40例,Amplatzer Vascular Plug II 2例であった.1例に輸血を要したほかは合併症なく完全閉鎖に成功しているが,中にはADOによる適応境界領域と思われる注意すべき症例を4ないし5例経験している.本パネルディスカッションでは,それらの症例を供覧し,適応限界と手技的注意点について,2019年から販売開始となったADO-II症例と対比を含め,討論する.
当院では,2009年~2018年の10年間に97例の経カテーテル的動脈管閉鎖術を施行.塞栓子の内訳は,コイル55例,ADO 40例,Amplatzer Vascular Plug II 2例であった.1例に輸血を要したほかは合併症なく完全閉鎖に成功しているが,中にはADOによる適応境界領域と思われる注意すべき症例を4ないし5例経験している.本パネルディスカッションでは,それらの症例を供覧し,適応限界と手技的注意点について,2019年から販売開始となったADO-II症例と対比を含め,討論する.