[III-PD06-03] 治療困難な動脈管開存に対する中空立体模型を用いた経皮的閉鎖術シミュレーション
Keywords:動脈管開存, 立体模型, シミュレーション
【背景と目的】Amplatzer Duct Occluder(ADO)が導入され,多くの動脈管開存(PDA)でカテーテル治療が可能になった.一方で動脈管の形態や体格などの制約から,ADOでのカテーテル治療が困難な症例も存在し,off-labelでAmplatzer Vascular Plug II(AVP)などが使用されてきた.ADOでの治療困難が予想される症例に対する,立体模型を用いたシミュレーションの有用性を検討する.
【対象と方法】当施設でADOが使用可能となった2012年8月から2018年12月までにカテーテル治療を施行したPDA 52例のうち,コイル閉鎖を除く30例を後方視的に検討した.年齢は7ヵ月~78歳(中央値4歳.50歳以上9例).Krichenko分類ではA22例,B2例,D1例,E5例であった.動脈管の形態や体格からADOでの治療困難が予想された症例では,患者CT画像から自施設で作製した透明シリコーン製中空立体模型を用いたシミュレーション後,閉鎖術に臨んだ.
【結果】動脈管形態からデバイス選択に苦慮した成人B1例,D1例,E4例,小児B1例およびADOの動脈側への突出が危惧された小児A2例の計9例(30%)で,模型を作製しシミュレーションを行った.模型は透明で,手にとってあらゆる角度からデバイスの留置形状を観察することができた.実際のカテーテル治療では,血管の伸展を考慮して1サイズ大きなADOを選択した小児A1例を除き,全例シミュレーションで選択したデバイスを,シミュレーションどおりの形状で留置しえた.成人D1例,E1例ではAVPを選択し院内倫理委員会の承認を得て留置したが,他はADOを留置した.全例閉鎖に成功し,施術に伴う合併症はなかった.
【考察と結論】既存の画像検査だけでデバイスの留置形状を正確に予測することは困難である. ADOでの治療困難が予想される症例において,最適なデバイスを選択する治療戦略上,中空立体模型を用いたシミュレーションは極めて有用である.
【対象と方法】当施設でADOが使用可能となった2012年8月から2018年12月までにカテーテル治療を施行したPDA 52例のうち,コイル閉鎖を除く30例を後方視的に検討した.年齢は7ヵ月~78歳(中央値4歳.50歳以上9例).Krichenko分類ではA22例,B2例,D1例,E5例であった.動脈管の形態や体格からADOでの治療困難が予想された症例では,患者CT画像から自施設で作製した透明シリコーン製中空立体模型を用いたシミュレーション後,閉鎖術に臨んだ.
【結果】動脈管形態からデバイス選択に苦慮した成人B1例,D1例,E4例,小児B1例およびADOの動脈側への突出が危惧された小児A2例の計9例(30%)で,模型を作製しシミュレーションを行った.模型は透明で,手にとってあらゆる角度からデバイスの留置形状を観察することができた.実際のカテーテル治療では,血管の伸展を考慮して1サイズ大きなADOを選択した小児A1例を除き,全例シミュレーションで選択したデバイスを,シミュレーションどおりの形状で留置しえた.成人D1例,E1例ではAVPを選択し院内倫理委員会の承認を得て留置したが,他はADOを留置した.全例閉鎖に成功し,施術に伴う合併症はなかった.
【考察と結論】既存の画像検査だけでデバイスの留置形状を正確に予測することは困難である. ADOでの治療困難が予想される症例において,最適なデバイスを選択する治療戦略上,中空立体模型を用いたシミュレーションは極めて有用である.