The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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優秀演題

学校検診・突然死

優秀演題01(I-OEP01)
心肺蘇生の普及啓発への地域と学校での取り組み

Sun. Nov 22, 2020 10:00 AM - 10:30 AM Track2

座長:三谷 義英(三重大学大学院医学系研究科 小児科学)
座長:太田 邦雄(金沢大学附属病院 小児科)

[I-OEP01-1] 小児生活習慣病予防健診の全国実態調査

宮崎 あゆみ1, 五十嵐 登2, 村上 美也子3, 青木 真智子4 (1.高岡ふしき病院 小児科, 2.富山県立中央病院 小児科, 3.むらかみ小児科アレルギークリニック, 4.青木循環器内科小児科クリニック)

Keywords:小児生活習慣病予防健診, 全国調査, 小児肥満

【背景、目的】肥満児の急増を背景に1980年代から各地で始まった小児生活習慣病予防健診は、未だ学校保健安全法に規定されず、その現状も定かでないため、全国調査を行って実態把握するとともに今後のあり方を検討する。【方法】2019年5月に、全国815の郡市区医師会に地元自治体での小児生活習慣病予防健診実施の有無や実施内容などを問うアンケートを送付し、返信を依頼した。実施している場合、資料提供が可能であれば実施要項や健診結果などの送付も依頼した。【結果】アンケート回収率は60%(492/815)であった。うち26%(127/492)の医師会の地元自治体で健診が行われており、重なりを除いた123自治体での健診に関して集計を行った。ほとんどの健診が市区町村、県などの自治体主催であり、その約6割に医師会が関与していた。健診対象学年は小学4-5年生、中学1-2年生が多く、約6割で小中学生ともに行われていた。健診の半数が対象学年ほぼ全員(70%以上)に実施されており、一部希望者に実施が17%、肥満児のみ抽出して実施が23%であった。採血を含めた健診実施場所は、全員健診ではほとんどが学校であったのに対し、肥満児のみの健診では医療機関に委ねる場合が多く、その半数以上が医療保険を利用していた。全員健診での二次検診抽出基準は多岐にわたり、収縮期血圧は120-180mmHg(最多135)、総コレステロールは190-260mg/dL(同220)、LDLコレステロール110-190mg/dL(同140)などであった。3市で脂質抽出基準にnon-HDLコレステロールを用いていた。健診の事後指導は、学校、自治体、医師会などにより半数で実施されていた。【結語】近年の小児肥満児割合の減少、家族性高コレステロール血症の早期発見など小児生活習慣病予防健診継続の成果は大きいが、その実施内容は様々であり、学校保健安全法規定の健診として全国一律に実施されることが望まれる。