[I-PMDA-4] 医療現場での実情と問題提起-先天性心疾患に対するカテーテル治療におけるoff-label use-
Keywords:Off-label use, 先天性心疾患, カテーテル治療
2018年1月-2020年3月に昭和大学病院 小児循環器・成人先天性心疾患センターではのべ180例に対する185セッションの先天性心疾患に対するカテーテル治療を行った。このうち30%はoff-label useまたはoff-label useに関連した手技だった。経皮的血管形成術のうち40%はステントの再拡大術で、20例では新規にステント留置を行った。バルーン心房中隔欠損作成術(BAS)のうち40%はStatic BASで、off-label デバイスによる動脈管開存閉鎖4例、心房中隔欠損閉鎖栓のoff-label useが1例だった。日本先天性心疾患インターベンション学会によるアンケート調査では、off-label useの頻度が高いデバイスは、ステント、vascular plug, Amplatzer閉鎖栓の順であり、早期導入が望まれるデバイスとしてはステント、経皮的肺動脈弁などが挙げられていた。わが国でも経皮的肺動脈弁の導入が検討されているが、欧米からの報告で本手技の前処置やBail-outに使われているデバイス、手技の有効性・安全性に寄与すると思われるデバイスなど、周辺機器の導入に課題を残している。無理筋は承知のうえで、以下に取り組み、患者さん、医師、行政、企業がそれぞれストレスを感じない医療供給体制を構築できないかと考えている。#Off-label useが常態化した機器については、早期に承認した上でレジストリを利用して実臨床のデータを収集するような簡便な制度の導入が必須→類似の枠組み、革新的医療機器の早期承認制度ではハードルが高すぎる。#治験実施が困難な希少疾患に対するoff-label useもあり、このような病態へは既存の制度では対応が困難→適応症や特定保険医療材料の新しい枠組みを検討できないか?#わが国と欧米では、Keyとなる機器以外のベーシックな周辺機器(シース、ガイドワイヤ、バルーンなど)にも相違があり、 Keyとなる機器だけの導入では安全性や有効性を担保できない可能性があり、周辺機器を含めた包括的な検討が必要。