第56回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

PMDA「タウンホールミーティング」

PMDA「タウンホールミーティング」(I-PMDA)
Off-label useの現状と機器開発促進に向けた期待

2020年11月22日(日) 16:00 〜 17:30 Track1

座長:山岸 正明(京都府立医科大学小児医療センター 小児心臓血管外科)
座長:白土 治己(医薬品医療機器総合機構)

[I-PMDA-6] 革新的医療機器条件付早期承認制度を活用した医療機器開発

北山 喜久美 (エドワーズライフサイエンス株式会社 製品開発本部 臨床開発部)

キーワード:SAPIEN, TPVI, 革新的医療機器条件付早期承認制度

Edwards SAPIENシリーズの経カテーテル生体弁は、症候性の重度大動脈弁狭窄症患者に対する低侵襲な治療デバイスとして開発され、第一世代のSAPIENが2007年に欧州でCEマークを取得し、2011年に米国でFDA承認を取得した。本邦では、2013年に第二世代のサピエンXTの製造販売承認を取得し、現在では第三世代のサピエン 3を用いた経カテーテル大動脈弁留置術(Transcatheter Aortic Valve Implantation: TAVI)が広く実施されている。一方、世界的に開胸手術を繰り返す先天性心疾患患者に対する治療については低侵襲な治療の普及が不十分であり、経カテーテル肺動脈弁留置術(Transcatheter Pulmonary Valve Implantation: TPVI)の必要性が提唱されるようになった。その結果、欧米では、2010年5月に第一世代のSAPIENの肺動脈弁位への適応拡大についてCEマークを取得し、第二世代のサピエンXTについても2016年にCEマーク及びFDA承認を取得した。これを受け、本邦においてもSAPIEN弁を用いたTPVI導入が所望され、関連学会より医療ニーズの高い医療機器として要望書が提出されるに至った。当社では、このアンメットメディカルニーズに応えるため、革新的医療機器条件付早期承認制度を活用した開発計画を検討し、関連学会と連携の下、欧米に先駆けて第三世代のサピエン3のTPVI国内導入を図るべく取り組んできた。ここでは、革新的医療機器条件付早期承認制度を活用したTPVI導入の経験を中心に、アンメットメディカルニーズに対する医療機器開発について企業の立場から発表する。