[I-TRS02-5] 小児重症心不全:補助人工心臓装着患児におけるリハビリテーションの力 ‐その実践と多領域のサポート‐
キーワード:LVAD, 臨床工学技士, EXCOR
小児重症心不全に対する治療として、本邦では2011年からは植込型左室補助人工心臓(implantable Left Ventricular Assist Device: iLVAD)が、2015年からは体外式左室補助人工心臓(extracorporeal Left Ventricular Assist Device: eLVAD)であるEXCORがそれぞれ保険償還されたが、心臓移植まで長期待機を余儀なくされている。その中で、LVAD装着患児に対する術後リハビリ―テションの目的は、心臓移植に向けたデコンディショニングの改善や、筋力向上によるADLの改善である。しかし、リハビリテーションの実施中には、血圧やLVAD流量の低下、LVAD機能不全、ドライビングチューブまたはドライブラインの破損及び断線、皮膚障害、出血等の有害事象が考えられるため、安全性には十分に留意する必要がある。
当院では、これまで18歳未満の重症心不全患児に対し、EXCORを25名(装着時日齢461日[216-1163日]、補助期間243日[112-394日])に、iLVAD(DuraHeart、EVAHEART、Jarvik2000、HVAD、HeartMate3)を18名(装着時年齢13.5歳[12.00-15.75歳]、補助期間768日[300-1015日])に装着した。
LVAD装着患児のリハビリテーションは、術後初期にはベッド上で実施され、ポンプの位置やドライビングチューブならびにドライブラインの取り回し等に注意する必要性は少ないが、ADLが上がるにつれ活動範囲が広がることにより、装置、ポンプならびに周辺のラインへの注意がより重要となる。このような状況の中で安全なリハビリテーションを実現するため、当院では、臨床工学技士によるLVAD機器駆動状態の確認、リハビリテーションへの立ち会い、患児・家族および医療スタッフに対するLVAD機器についての説明といった取り組みに加えて、臨床工学技士-理学療法士間で互いに理解を深めるための相互交流を行ってきた。
本演題では、我々が取り組んできたこれらの役割についての現状と、今後に向けた課題を提示する。
当院では、これまで18歳未満の重症心不全患児に対し、EXCORを25名(装着時日齢461日[216-1163日]、補助期間243日[112-394日])に、iLVAD(DuraHeart、EVAHEART、Jarvik2000、HVAD、HeartMate3)を18名(装着時年齢13.5歳[12.00-15.75歳]、補助期間768日[300-1015日])に装着した。
LVAD装着患児のリハビリテーションは、術後初期にはベッド上で実施され、ポンプの位置やドライビングチューブならびにドライブラインの取り回し等に注意する必要性は少ないが、ADLが上がるにつれ活動範囲が広がることにより、装置、ポンプならびに周辺のラインへの注意がより重要となる。このような状況の中で安全なリハビリテーションを実現するため、当院では、臨床工学技士によるLVAD機器駆動状態の確認、リハビリテーションへの立ち会い、患児・家族および医療スタッフに対するLVAD機器についての説明といった取り組みに加えて、臨床工学技士-理学療法士間で互いに理解を深めるための相互交流を行ってきた。
本演題では、我々が取り組んできたこれらの役割についての現状と、今後に向けた課題を提示する。