The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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会長要望セッション

純型肺動脈閉鎖症

会長要望セッション01(I-YB01)
純型肺動脈閉鎖症に対する内科的・外科的治療戦略

Sun. Nov 22, 2020 3:30 PM - 5:00 PM Track3

座長:芳村 直樹(富山大学医学部 第1外科)
座長:星野 健司(埼玉県立小児医療センター 循環器科 )

[I-YB01-1] 純型肺動脈閉鎖における冠動脈右室瘻の分類

栄徳 隆裕1, 大月 審一1, 馬場 健児1, 近藤 麻衣子1, 今井 祐喜1, 福嶋 遥佑1, 重光 祐輔1, 平井 健太1, 笠原 真悟2, 小谷 恭介2 (1.岡山大学大学院医歯薬総合研究科 小児循環器科, 2.岡山大学大学院医歯薬総合研究科 心臓血管外科)

Keywords:冠動脈右室瘻, 純型肺動脈閉鎖, 予後

【背景】PA-IVSにおける冠動脈右室瘻RV to coronary fistula(CAF)は予後不良因子として知られる。段階的decompressionによりCAFが消退する症例を経験する一方、CAFが原因で心不全や突然死を起こす症例もおり、早期に予後を予測することは有用である。【目的】CAFの好発部位や予後不良因子を明らかにしたい。【対象と方法】当院にてPA/IVSと診断された103例のうち、RV造影にて逆行性に冠動脈が造影された症例をCAFありと定義した。現在画像を確認可能な41症例を対象とし、各症例のCAFを(1)CAFと右室との交通形態、(2)CAFと右室との交通部に狭窄があるか巨大な交通か、(3)右室減圧術を受けた場合CAFが減少したか、(4)減圧術を受けられない理由と予後 について分類した。【結果】(1)交通部位はRCA-RV単独7例、LCA-RV単独6例、RCA-RVかつLCA-RV両方23例、単一冠動脈または一側途絶5例であった。(2)右室との交通部に狭窄がある症例は34例(83%)で、1例のみ死亡していた。右室との交通に狭窄が無く巨大な交通を有する症例は7例(17%)で、2例にfistula ligationが施行されいずれも生存、残る5例は死亡していた。(3)30例が右室減圧術を受け、減圧に成功した28例は全例生存し、うち27例はRVGにて冠動脈が描出されなくなった。減圧術を行ったがRV-PA間が再度閉鎖した2例のうち1例は突然死した。(4)右室減圧が受けられない理由は、右室流出路が欠損した8例(うち4例死亡50%)と、流出路はあるがPAとの接点が小さすぎるため減圧術が難しいと判断された3例(3例とも生存)であるが、後者は減圧の機会を伺っている。【結語】CAFはRVとの交通が巨大な症例は予後不良であり、形態が許せばligationを考慮すべきである。右室流出路欠損症例、減圧に成功しなかった症例が予後不良であった。CAF-RV交通部に狭窄がある症例は生存率が高く、右室減圧術によりCAFが減少する症例を多く経験した。