The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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会長要望セッション

純型肺動脈閉鎖症

会長要望セッション01(I-YB01)
純型肺動脈閉鎖症に対する内科的・外科的治療戦略

Sun. Nov 22, 2020 3:30 PM - 5:00 PM Track3

座長:芳村 直樹(富山大学医学部 第1外科)
座長:星野 健司(埼玉県立小児医療センター 循環器科 )

[I-YB01-7] 純型肺動脈閉鎖術後の成人期予後についての検討

杜 徳尚1, 小谷 恭弘2, 赤木 禎治1, 黒子 洋介2, 馬場 健児3, 大月 審一3, 笠原 真悟2, 伊藤 浩1 (1.岡山大学 循環器内科, 2.岡山大学 心臓血管外科, 3.岡山大学 小児循環器科)

Keywords:純型肺動脈閉鎖, 成人先天性心疾患, 予後

背景:修復術後の純型肺動脈閉鎖(PA-IVS)の成人期の予後についてのデータはほとんど存在しない。今回、当施設での成人期PA-IVSの臨床経過について、その根治術の種類ごとに検討した。方法:当院に通院歴のある58例のPA-IVSのうち、2003年から2018年に通院歴のある16歳以上の32例を対象とした。臨床経過、手術歴、血液検査、心エコー図指標、心電図指標を診療録より収集した。結果:16歳から観察を開始し、最終観察時の年齢の中央値は23.7歳(IQR:20.1ー27.0歳)であった。16歳の時点で二心室修復術(BVR)後は24例、1.5心室修復術(1.5VR)後は3例、一心室修復術(UVR)後は5例であった。中央値7.7年(IQR:4.1ー11.0年)の観察期間で、1例のBVRが突然死し、6例(BVR 4例、1.5VR 1例、UVR 1例)が心不全を発症した。不整脈は全て上室性頻脈で5例(BVR 3例、1.5VR 1例、UVR 1例)に認めた。10例で再手術を要し、うち4例はBVRから1.5VRへのtake-down、3例がTCPC conversionであった。16歳からの5年・10年の生存率は96.2%と96.2%、心不全回避率は84.6%と78.1%、不整脈回避率は88.7%と75.9%、再手術回避率は77.5%と68.1%であった。結語:成人に到達したPA-IVS修復術後の症例の生存率は比較的良好であるものの、心血管合併症の頻度は高く、注意深い経過観察を要する。