[I-YB02-5] 当院における湾曲型小口径Nunn弁付き導管による右室流出路再建術の中期成績
Keywords:右室流出路, 導管, Nunn
【目的】小口径弁付き導管を用いた右室流出路再建では、肺動脈分岐部までの短い距離や弯曲した流出路形態など、弁機能にとって不利な条件下での再建を余儀なくされる。当院では2010年以降16mm以下の小口径導管においてはePTFEによる湾曲型Nunn弁付き導管を作成し使用している。これらの弁機能につき中期成績を検討した。【方法】2010年以降、16mm以下のNunn弁付き導管を用いた症例で、手術死亡、姑息術を除く34症例、40導管を対象とし、弁機能について後方視的に検討を行った。【結果】診断はTOF 11例、PA VSD 6例、PA VSD MAPCA 5例、TAC 3例、CoA complex 7例、f-TB 1例、ccTGA VSD PA 1例。手術時月齢は中央値16.9 ヶ月(0.3 - 55.5)、体重8.2 kg(3.7 - 12.4)。手術はRastelli型 20例、Yasui手術 7例(9導管)、再RVOTR 7例(9導管)、その他2例。導管径は10mm 2本、12mm 8本,14mm 6本、16mm 24本。観察期間は中央値5.8年(0.1 - 9.2)。導管に対する再手術を4例に認めたが、conduit failureによる再手術はなし。導管狭窄に対しエコー上のpeak PG 60mmHgを目途にPTPVを8例(10導管)に施行し、圧較差は32mmHgから19mmHgへと低下し、背側の固定が外れる事で二尖弁から一尖弁となって弁の可動性は改善し有意な弁逆流の進行は認めず。16mm導管については再手術はなく、3年、5年で再介入回避率が88.9%、88.9%。エコー上のpeak PGは3年、5年で25.3±11.7mmHg、35.3±13.4mmHgでmoderate以上の逆流は認めず。14mm以下の導管については3年、5年で再手術回避率が86.5%、78.7%、再介入回避率が62.9%、55.1%。エコー上のpeak PGは3年、5年で22.8±11.8mmHg、26.3±10.2mmHgで、moderate以上の逆流は2例のみ。【結語】湾曲型小口径Nunn弁付き導管の中期成績は満足いくもので、とりわけ逆流制御には優れていた。成長および弁の可動性低下による弁狭窄に対してもPTPVにより弁機能を回復させつつ狭窄の解除が可能であった。