The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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AEPC-YIA Session

AEPC-YIA Session(I-YIA)

Sun. Nov 22, 2020 9:30 AM - 10:00 AM Track1

座長:小野 博(国立成育医療研究センター 循環器科)

[I-YIA-3] Influence of bronchus on the growth of major aortopulmonary collateral arteries after unifocalization

Yujiro Ide(井出 雄二郎) (Kyoto University Hospital, Department of Cardiovascular Surgery(京都大学医学部附属病院心臓血管外科))

Objectives
MAPCAに対する乳児期のUnifocalization(UF) は標準的な外科治療となっている。 しかし、UF後のMAPCAの中には、狭窄や低成長のために追加のカテーテル治療や手術が必要となるものが少なくない。我々は、UFのデザイン自体が血管成長に影響を及ぼす可能性を考え、MAPCAと気管支の位置関係に注目して、MAPCAの血管成長を検証した。

Methods
2001年から2019年までに、当院で9人の PA/VSD/MAPCAの患者が、UFを施行された。全例で手術介入前に血管造影検査と造影CT検査を行い、肺血流分布の詳細と、MAPCAと気管支の位置関係を確認した。この術前検査で、気管支背側を走行し肺門部へ向かうMAPCA(retro-bronchial MAPCA; rbMAPCAと定義)が、4人の患者で確認された。rbMAPCA(s)、non-rbMAPCA(s)、native pulmonary artery(PA)の血管径を、UF前後の血管造影画像上で計測し、血管成長の経時的変化を検証した。

Results
UF前の血管造影検査(日齢; 34 (24-76)日, 体重; 2.8 (2.7-3.6) kg)で、MAPCAは16本確認された。その内 6本(37.5%)が rbMAPCAsであった。全4例で、native PA(1例でnon-confluent left PA)が確認され、UF前のoriginal unilateral PA、rbMAPCA、non-rbMAPCAの径(mm/m2)は、それぞれ21.5±6.78, 22.4±3.76, 21.1±5.74 (One-Way ANOVA, p=0.9232)であった。全4例で、UFは正中切開で一期的に完成し、肺血流源はmodified BT shuntとした。手術時年齢は1.6(1.0-2.5)ヶ月、手術時体重は2.9(2.7-3.3)kgであった。直近の血管造影検査は、UF完成後5.5 (2.0 -10.0)年で行い、全例が根治手術到達後であった。 気管周囲部でのrbMAPCAの径(5.38±1.34mm/m2)は、 native unilateral PAs(15.22±5.88mm/m2, p=0.0016) や non-rbMAPCA(10.40±4.91mm/m2, p=0.0292)と比較すると、有意に小さかった。

Conclusions
rbMAPCAは、その位置のままUFを行った場合、気管支を交差し中縦隔に出現する部分で狭窄となる傾向が確認された。rbMAPCAのUFの際には、気管支前方にtranslocateすることで、正常の肺動脈と同様の配置となり、将来的な狭窄発生を未然に防ぐことが可能となると考えられる。