[II-TRS04-2] 術前シミュレーションのための4DCTと画像処理 医師との協働で可能になること
Keywords:CT, 心内腔像, 画像処理
【背景】低被ばくCTと高性能画像ワークステーションを使用することで、低被ばくかつ精細な3D画像の再構成が行える。3DCT以上の臨床的情報を持つ4DCTでは低被ばくのメリットは減少するものの、時間データを含んだ解析も行える。術前評価として、心内構造・房室弁・動きの大きな血管等の多時相多方向からの評価が可能である。【目的】術前シミュレーション向けCT撮影法・画像処理・画像提供方法の検討【方法】画像処理に適した造影・鎮静・CT撮影を行い、画像再構成関数・opacity curve・ノイズ対策・配色バランス・光源の調整・画像提供方法の検討を行った。【症例1】Muitiple VSD 5歳 16Kg 80bpm 7mSv エコー所見からVSD閉鎖術かつ両心室修復可能と予想されていたが、4DCTでは心室中隔に較べて欠損孔は大きくパッチ閉鎖後の心機能低下が危惧されたため、DKS+Glenn手術となった。術後経過は良好である。【症例2】cAVSD 3歳 11Kg 88bpm 29mSv エコー所見からcAVSD repairの可能性を判断するため、共通房室弁の形態と動きを4DCTにて評価した。共通前尖左側成分と小さな共通後尖左側成分間にあるmural leafletが分葉状であり、僧帽弁口として十分なサイズを確保できるとの術前予想となった。実際の手術では、AVSD repairでき、かつ左側のcleftも閉鎖可能であった。【結論】エコー、心臓カテーテル検査、CT断面像に加え、精細な3D/4DのVolumeRendering像を導入することで、より詳細な病変評価が可能となり術式の検討にも有用であった。特に心内腔像は、心室内から大血管流出路の形態や欠損孔の立体的配置を術前に評価し、術前のシミュレーションを行う為に欠かせない再構築画像である。このような画像は、診療放射線技師のみでは外科医の求める全てを提示することは難しい。医師と協働することで治療方針の決定に貢献できる。