[II-YB03-7] 当院における総動脈幹症の外科治療成績
Keywords:総動脈幹症, 右室流出路再建, Truncal valve repair
【背景・目的】総動脈幹症(TA)では、低体重や大動脈弓病変、総動脈幹弁逆流(TvR)などが治療方針や成績を左右するといわれている。当院での手術および術後経過を検討する。【方法】2004年~2019年に当院で初期から介入した単心室形態を除くTA 10例を対象とし、後方視的に調査した。【結果】10例中一期的根治術を行ったのは4例で、手術時年齢は中央値14日(9~49日)、体重 3.1kg (2.6~3.6kg)であった。段階的根治術を行ったのは6例で、段階的となった原因は低体重 1例、PA左右差(A3) 2例、大動脈弓関連(A4) 2例、術前NEC発症 1例であった。段階的根治術でのICR時年齢は中央値4.5ヵ月(27日~4歳)、体重4.4kg (2.0kg~12.6kg)であった。全10例のICR時のRV-PA再建はHemashield graft+自作2尖弁付馬心膜ロール 1例、Barbero-Marcial+monocusp 1例、monocusp 1例、自己心膜ロール+monocusp 2例、ePTFE自作3尖弁付conduit 3例(10mm/12mm/18mm)、Contegra 2例(12mm/14mm)であった。Truncal valve形態は3尖:4尖=5:5で、出生時TvRはsevere:1、moderate:3、mild:1、trivial:1、none:4であった。4例(5件)に形成 (3尖化:3、弁尖延長:2、交連縫縮:2 (重複含む))を行った。severe TvRの症例は1ヵ月(2kg)時での弁形成、他3例は3ヵ月(3.8kg)、8ヵ月(7.6kg)、2歳(13kg)時での介入であった。全10例中、胎児期からsevere TvR認めた1例を術後早期に失った。生存9例の現在の年齢は6歳(1歳~16歳)である。ICR後再手術は7例(10件)で、RVOTR 10、PA plasty 4、Truncal valve形成 2、AVR(IE) 1、上行大動脈延長 1 (重複含む)であった。【結論】TAは出生体重や大動脈弓病変、TvRの程度によって重症度に差があり、症例に応じて段階的根治術を行ったり、適切なタイミングでのTvRの形成を行うことで良好な成績が得られた。