[III-OEP12-1] 静岡県立病院機構における移行期医療支援体制つくり
キーワード:移行期支援, 成人先天性心疾患, 移行期医療
【背景】臨床現場での移行期支援のニーズは以前から高く移行期支援ガイドや研修会など、学会や研究会主導での医療者に対する活動が続けられてきた。加えて、慢性疾患の移行期支援として行政が小児慢性特定疾病対策で、都道府県に対して移行期医療センターや拠点的役割を担う機関の整備をすすめる通知をだし社会福祉サポートも含む包括的な支援が求められている。【目的】静岡県における移行期医療支援体制の構築についての現状と課題をあきらかにする。【現状と課題】静岡県立病院機構として、総合病院内に成人先天性心疾患(ACHD)外来が2006年に開設され、患者数は400人を越えている。その8割がこども病院からの移行である。一方、患者自身の疾病理解と自律促進のための包括的支援としてこども病院内に成人移行外来が2012年に開設。また、小児がん領域でもこども病院内に2006年から長期フォローアップ外来が開設され移行期支援を早くから行ってきた。受け手である総合病院側のACHD外来では、こども病院小児循環器科医と総合病院成人循環器科医が協働で診療にあたっているが専任の循環器内科医の継続が困難であった。静岡県立病院機構では、中期計画の柱に移行期医療と医療的ケア児の対応への取り組みをあげており、2020年より移行医療部を総合病院内に設け成人先天性心疾患科として専任の医師を配置、小児/AYA世代腫瘍科、移行医療支援室を開設した。また包括的支援としての移行期医療支援センターはこども病院内に設置されることになった。ACHD総合修練施設-連携修練施設でもあることから、今後、双方の病院での窓口がはっきりすることで、患者側の認知理解の促進、医療者側の患者情報共有、協働診療が、よりスムーズにシームレスになること、他の総合修練施設、成人循環器科との連携も円滑に行われることが期待される。