[III-OEP12-3] Eisenmenger症候群多施設共同研究の進捗状況
キーワード:Eisenmenger, Disease targeting therapy, BNP
【目的】Eisenmenger症候群成人例の前向き多施設共同研究の進捗状況を報告する.【結果】登録症例は91例(男性29例, post tricuspid shunt 79例, Down症 26例),登録期間の中央値は55ヶ月(1から83ヶ月),Primary event(PE)34例(入院19例, 死亡7例,肺移植1例,WHO-functional class(FC)悪化7例),入院の理由は心不全7例, 出血6例(喀血4例),低酸素血症3例, 大動脈解離1例で,入院後4例が死亡した. 68ヶ月死亡肺移植回避率は83 %, 68ヶ月PE回避率は60%であった. 死亡肺移植に関連する因子は, WHOFC≧III(Hazard ratio(HR) 3.35, p=0.048),心不全既往(HR 3.2, p=0.043), 胸水貯留(HR 29.8,p=0.0003), 心嚢液貯留(HR 7.4,p=0.015), BNP≧100pg/ml(HR 4.56,p=0.02), 登録時年齢≧40歳(HR 5.18,p=0.005), CTR≧60% (HR 3.76,p=0.03), RBC≦550万(HR 5.64, p=0.009)であった. Disease targeting therapy(DTT)は, 登録時64例で施行されており, 登録後6例で新たに開始され, 24例で追加または変更された. proactiveに開始または追加した13例のうち1例が浮腫のためボセンタンを中止したが, 登録時から最終受診時のWHOFCは, 2例でIIIからIIへ改善, 11例で変化はなかった. 症状出現後に開始または追加した17例中2例で頭痛のためタダラフィルを中止したが, 開始または追加後に効果ありと考えられた症例が13例, 効果無しが3例, 不明が1例であった. 登録時から最終受診時のWHOFCは, 2例でIIからI, 1例でIIIからIIへ改善し,2例でIIからIVへ, 1例でIIからIIIへ悪化, 11例で変化が無かった.【結論】40歳以上. WHOFCIII以上, CTR60%以上, BNP100pg/ml以上, RBC550万以下の症例は, high risk群と考えられ, 積極的なDTTを検討して良いと考えられる.