The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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シンポジウム

外科治療

シンポジウム06(III-S06)
外科治療「機能的単心室に対するシャント手術」

Tue. Nov 24, 2020 3:00 PM - 5:00 PM Track2

座長:猪飼 秋夫(静岡県立こども病院 心臓血管外科)
座長:帆足 孝也(国立循環器病研究センター)

[III-S06-3] 機能的単心室症の新生児・乳児に対する体肺動脈シャント手術の成績

鵜垣 伸也1, 古井 貞浩2, 鈴木 峻2, 横溝 亜希子2, 関 満2, 佐藤 智幸2, 吉積 功1, 片岡 功一2, 河田 政明1 (1.自治医科大学とちぎ子ども医療センター 小児・先天性心臓血管外科, 2.自治医科大学とちぎ子ども医療センター 小児科)

Keywords:単心室, シャント, 外科治療

【背景】機能的単心室症において、体肺動脈シャントはフォンタン手術到達の重要な最初のステップである。当院での左心低形成症候群を除いた機能的単心室症に対し乳児期に施行した同手術の成績を後方視的に検討した。【方法】2011年1月から2019年12月に、31例の機能的単心室症の乳児に対して体肺動脈シャント手術を行った。年齢中央値は52日(0-150日)、体重中央値は3.6kg(2.6-6.8kg)であった。診断は無脾症候群9例、純型肺動脈閉鎖症6例、三尖弁閉鎖症3例、多脾症候群2例などであった。主心室形態は左室型18例、右室型13例であった。肺動脈閉鎖15例、狭窄16例であった。【結果】重度共通房室弁逆流の右室肺動脈シャント(6mm)の1例を除き、30人にBTシャント(19例は胸骨正中切開、11例は側開胸)、8例に肺動脈形成を併施した。2例に総肺静脈還流異常症修復を行った。12例に人工心肺使用。BTシャント径は4例が3.5mm、21例が4mm、5例が5mm。シャント径/体重比中央値は1.1mm/kg(0.6-1.6mm/kg)。術後6例で腹膜透析を要し、3例にBTシャントクリッピングを施行した。シャント術後の病院死亡はLOS等により31例中3例(9.7%)であった。シャント耐術後当院で加療した27人の中、16例はフォンタン手術(1例takedown)を完了し、9例はグレン手術(1例、術後弁逆流、LOSにて死亡)を終え8例がフォンタン手術待機中である。無脾症候群、閉塞性総肺静脈還流異常修復、術前または術後の中等度以上房室弁逆流、後腹膜透析使用、シャント径/体重比>1.2mm/kg等がシャント術後死亡の危険因子であった。乳児期の機能的単心室症に対してのシャント術後死亡は全例1年以内で、5年生存率は87%±6%であった。【結論】無脾症候群、閉塞性総肺静脈還流異常は単心室症に対する体肺動脈シャント術での予後不良因子であった。シャント径/体重比<1.2mm/kgのBTシャント径による低肺血流管理が適切である。