The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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シンポジウム

川崎病

シンポジウム07(III-S07)
川崎病「新しい日本のガイドラインが目指すもの」

Tue. Nov 24, 2020 8:30 AM - 11:00 AM Track3

座長:髙橋 啓(東邦大学医療センター大橋病院 病理診断科)
座長:小林 徹(国立成育医療研究センター 臨床研究センター企画運営部)

[III-S07-2] 診断の手引き改訂6版のポイント

鮎澤 衛 (日本大学 医学部 小児科)

Keywords:川崎病, BCG痕, 冠動脈Z-score

【目的】2019年5月、日本川崎病学会の委員会により、川崎病の「診断の手引き」が約15年ぶりに見直され、改訂6版となった。【方法】下記の委員と執筆者の多大な協力を得た。(敬称略)改訂委員:阿部 淳、伊藤 秀一、加藤 太一、鎌田 政博、小林 徹、塩野 淳子、鈴木 啓之、須田 憲治、土屋 恵司、中村 常之、中村 好一、野村 裕一、濱田 洋通、深澤 隆治、古野 憲司、松裏 裕行、松原 知代、三浦 大。外部評価委員:五十嵐隆、石井正浩、市田蕗子、小川俊一、寺井 勝、濱岡建城。診断ガイドブック執筆(上記委員兼務は除く。):池田和幸、上野健太郎、大熊喜彰、小原関利章、勝部康弘、川村陽一、小林富男、中川直美、中田利正、二瓶浩一、沼野藤人、布施茂登、三谷義英、吉兼由佳子。【結果】主な変更点としては、次のようである。1.主要症状の「発熱」について日数の条件を削除した。2.BCG接種痕の発赤を主要症状の「発疹」の中に含めることとした。3.主要症状数と冠動脈病変の有無によってiKDを定義した。4.症状数が4つ以下の場合に鑑別診断の必要もあらためて強調した。5.冠動脈病変の定義として、心臓超音波検査による内径のzスコア+2.5以上を評価基準とすることを推奨した。6.参考条項を診療上の意義から、4つに分類した。7.備考に非化膿性頸部リンパ節腫脹の頻度と所見について記述を加えた。 【結論】この改訂によって、より早い病日に川崎病の疑いを持って治療可能な施設へ紹介しやすくなることと、疑いを持ちながら不全型川崎病と診断できないため治療を行わずに冠動脈病変を合併する例が減少することを期待する。