[III-S08-4] 新しい心不全治療薬:トルバプタン
キーワード:心不全, 利尿薬, うっ血
トルバプタンはアルギニンバソプレシンV2受容体拮抗薬であり、日本では2010年に“ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留”に対して厚生労働省より承認された。2015年に発行された日本小児循環器学会・小児心不全薬物治療ガイドライン改訂版において、当時小児では症例報告程度しかデータがなかったにもかかわらず、既にトルバプタンは比較的大きく取り上げられている。諸外国と異なり本邦では心不全に伴う体液貯留の治療薬として認可されたこともあり、国内の循環器内科領域での取り上げられ方は目を見張るものがあり、たくさんのエビデンスが構築されている。小児領域でも日本小児循環動態研究会から多施設共同研究の結果が報告されている。現在小児での適応を取得すべく、日本小児循環器学会協力のもと治験が進行中である。本セッションではトルバプタンに関して概説し、治験の内容・進捗状況を紹介する。