The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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シンポジウム

成人先天性心疾患

シンポジウム09(III-S09)
成人先天性心疾患「移行の実際ー移行はどのように行われ始めているかー」

Tue. Nov 24, 2020 3:00 PM - 5:00 PM Track4

座長:三谷 義英(三重大学大学院 医学系研究科 小児科学)
座長:八尾 厚史(東京大学)

[III-S09-1] 【基調講演】先天性心疾患の移行医療の実態、提言から移行医療支援へ:Overview

三谷 義英 (三重大学大学院 医学系研究科 小児科学)

Keywords:移行医療, 先天性心疾患, 成人先天性心疾患

2017年以降、都道府県の移行医療支援整備事業が始まり、2019年4月には、日本成人先天性心疾患学会の専門医制度が発足し、全国で81専門医修練施設と172名の暫定専門医が認定された。2019年12月に成育基本法と同時に、脳卒中循環器病対策基本法が施行された。本講演では、移行医療支援に関わる実態と今後の動向を、関連する学会の実態調査と都道府県での移行医療支援センターの案を提示し、都道府県での循環器病対策基本法との関わりなども含めて報告する。1 日本循環器学会の移行医療実態調査全国の研修(関連)施設1287施設を対象に2019年1-2月に実施された。外来受け入れ率は、単純疾患と複雑疾患の外来受入率は、全施設で85%、29%、大学病院で92%、複雑疾患67%であった。また、地域で移行医療の認知度、1-3次の連携体制、非成人先天性心疾患専門医への普及啓発に課題を認めた。2 日本成人先天性心疾患学会の移行医療支援センター実態調査全国の総合(連携)修練施設81施設を対象に2019年11月に、実施された。97%の施設が関与に前向きであるが、70%以上の施設が設置未定であった。修練施設の考えるニーズは、医療的支援の項目で70%以上、社会的支援項目で50%以上に指摘されたが、社会福祉領域のスタッフとの連携は乏しい結果が得られた。以上から、都道府県との連携に関わる具体的な案(協議会等の設置、既存の支援ネットワークとの連携、モデル業務)、先行地域の地域モデル等を提示する。脳卒中循環器病対策基本法の骨子案に、移行医療支援の関わる内容が反映され、今後の都道府県で基本計画に反映することが期待される。本発表は、日本成人先天性心疾患学会 移行医療、専門医制度普及委員会、日本循環器学会の関わる先天性心疾患の移行医療関連8学会横断的部会、難治性疾患政策研究事業(白石班)の多くの委員、班員の協力による。