[III-YB04-1] 内科的管理による予後改善はどこまで可能か:PA,MAPCAsに対するカテーテル検査・治療及び肺高血圧管理の留意点
Keywords:肺動脈閉鎖, MAPCAs, カテーテル治療
【緒言】MAPCAsは肺動脈の多発性狭窄,区域性肺高血圧,右心不全など生涯,多岐にわたる問題がある.【目的】長期予後改善に必要な留意点の探求.【対象】2000年以降の19例.最終年齢0.2-18.6(5.8)歳.【方法】1.基礎疾患. 2.Rastelli手術(R術)段階的or一期的. 3.R術前Cath検査数. 4.R術前Intervention(Int.). 5.R術後Int. 6.肺高血圧治療と効果について後方視的に検討.【結果】1.基礎疾患;なし9,del22q11.2 8,Cantrell1,多発奇形1. 2.R術施行14例中段階的13,一期的1. 3.R術前cath検査2-7回(中央値4),肺内交通確認のballoon閉鎖+選択造影6回 4.R術前Int.25回:BTS-branch PS形成17 (合併症;Native PA裂,tamponade1,保存的治療),閉塞BTS再疎通4(成功2),高肺血流軽減目的のDual supply閉塞4(coil;3,AVP4;1) 5.R術後Int.32: branch PS 28 (合併症;肺出血1,Native PA裂,高耐圧balloon,保存的治療), MinorAPCA coil閉塞2(喀血),Conduit 4(10-11.9歳);RVP/LVP=0.77→0.61有意に改善. 6.肺高血圧治療10;エンドセリン拮抗薬単剤4,PDE5阻害薬4,2剤併用3. 7例は両側<25mmHgに改善.【考察】balloon閉鎖+選択造影は,手技は煩雑だがCT等では不明瞭な交通を明らかにし,UFの必要性のみでなく高肺血流制限目的の閉塞に際してDual supplyを証明する重要な手段である. MAPCAsではNative部分にも狭窄が生じ硬い病変であるため高耐圧balloonも必要だが破裂のリスクに注意を要する.末梢性狭窄はR術後の進行も稀ではないがエコーの直接所見,RV圧上昇が出るとは限らず,かつ血流の不均衡は肺高血圧の悪化要素にもなるため肺血流シンチ,CT,血管造影を併用し時機を逸さず介入する必要がある.BTS閉塞4例(11.8%)は当院のMAPCAs除くBTS閉塞率2.9%に比して高率であり高肺血管抵抗の関与が考えられ,かつ単供給源でない場合は気付きにくいことに注意を要する.肺高血圧治療も一定の効果は示しており,選択の幅も広がっていることからstrategyを構築する必要がある.