The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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会長要望セッション

会長要望セッション04(III-YB04)
MAPCAに対する内科的、外科的治療戦

Tue. Nov 24, 2020 8:30 AM - 10:30 AM Track2

座長:猪飼 秋夫(静岡県立こども病院 心臓血管外科)
座長:馬場 健児(岡山大学IVRセンター 小児循環器)

[III-YB04-4] 主要体肺動脈側副血行路に対する術中flow studyの有用性

渡辺 謙太郎, 猪飼 秋夫, 石道 基典, 伊藤 弘毅, 廣瀬 圭一, 坂本 喜三郎 (静岡県立こども病院 心臓血管外科)

Keywords:MAPCA, flow study, 肺動脈統合

【背景】MAPCAを有する心疾患は多様で、治療方針は未だ確立していない。良好なQOLには低い肺動脈圧と右室圧、狭窄のない肺動脈再建と肺動脈の閉塞性病変を進行させない治療が重要である。【目的】MAPCAに対する一期的UFおよび術中flow studyの有用性を検討した。【対象】2017年4月-2019年12月にMAPCAに対してUFまたは肺動脈形成を行い、術中flow studyを行い治療方針の決定を行った17例を対象とした。手術時年齢は3ヵ月-10歳6ヵ月(中央値14ヵ月)、男:女 9:8。Flow study術前に手術介入した症例は7例(BT shunt 5例、palliative RV-PA 2例)。術後観察期間は1ヵ月-2年8ヵ月(中央値1年)。【手術】左側開胸を併用した正中切開でMAPCAの剥離、体外循環補助下に一期的に自己組織同士の吻合を基本とした肺門部に十分な血管系を確保するUFを行い、中心肺動脈はホモグラフトまたは自己心膜を使用して再建した。形成した肺動脈にflow study用の送血管と圧測定用ラインを挿入して3.0L/min/m2で送血し、LV ventで脱血しながら平均肺動脈圧(mPAP)を測定。mPAP 25mmHg以下であれば根治手術を行い、25mmHgより高ければBT shuntまたはpalliative RV-PAを行っている。術後3-12ヵ月の早期にカテーテル評価を行い、PTPAを施行しUF後の肺動脈開存を維持している。【結果】UF本数は0-5本(平均2.3本)、flow studyのmPAPは16-40mmHg(平均 24mmHg)、13例に根治手術、3例にpalliative RV-PA、1例にBT shuntを行った。手術・遠隔死亡は1例。Pallative RV-PAを行った1例で術後3ヵ月に根治手術を行った。根治手術を行った14例の術中右室/左室圧比は0.4-0.6(平均 0.51)で、根治術後のカテーテル検査は10例に行い、全例BAPまたはTAEを行い右室/左室圧比は0.43-0.63(平均 0.52)であった。【結語】MAPCAに対し一期的UFおよび術中flow studyによる根治手術可否を決定し、早期成績は良好あった。今後も長期のフォローアップと症例数の蓄積が必要である。