[III-YB04-6] 中心肺動脈高度低形成を伴うPA/VSD/MAPCAに対する治療戦略および遠隔期成績
キーワード:MAPCA, UF, Rastelli
【目的】PA/VSD/MAPCAの外科治療において、特に中心肺動脈(cPA)欠損/高度低形成例では術後MAPCA吻合部狭窄や末梢PA閉塞性病変による右心圧負荷が残存しうる。今回、我々が採用している段階的治療(第一期手術:一期的両側UF、自己心膜ロールによるY字型のcPA再建および姑息的右室流出路再建(pRVOTR)、根治術:Rastelli±残存狭窄解除)の妥当性につき検討した。
【対象】2001年以降に第一期手術を行ったcPA欠損/高度低形成を伴うPA/VSD/MAPCA 26例を対象とした。手術時年齢/体重の中央値は1.2歳/8.3kg。側開胸でBTシャント±片側UFを先行した症例が9例、高肺血流によるPHでMAPCA bandingを先行した症例が1例あった。第一期手術では正常肺動脈弁輪径の約77%径の弁付きePTFE導管にてpRVOTRを行い、術後Qp/Qsの中央値は1.00であった。全例術後に肺血管拡張剤を投与した。
【結果】第一期手術後観察期間の中央値は5.0年。24例が平均1.3年の間隔をおいて根治術に到達、1例待機中。根治術前のSpO2の中央値は90%と肺血流の有意な増加を示唆する所見であった。根治術の年齢/体重の中央値は2.7歳/10.5kg。手術死亡なし、遠隔期死亡は感染による1例のみ。 10例において根治術時、PAに介入し(拡大形成:9例、縫縮:3例)流体力学的に有利なY字型のPAを再建した。VSDは全例で完全閉鎖。根治術後、末梢PAへの内科的介入は3例のみ。再手術は4例で体重増加による導管交換のみであった。根治術後、収縮期PA圧の中央値は35mmHgと低値であった。PA indexの中央値は第一期手術前後、根治術後で126.7→370.9→478.0mm2/m2と増加を認めた。
【結語】cPA欠損/高度低形成を伴う本疾患群に対し、本戦略では第一期手術での流体力学的に有利なY字型心膜ロールによるcPA再建ないし小口径の弁付き導管による肺血流の適正化、更に根治術時での残存病変解除により良好な肺血管床と正常右室圧が得られ、本疾患群への有用な治療方針と考える。
【対象】2001年以降に第一期手術を行ったcPA欠損/高度低形成を伴うPA/VSD/MAPCA 26例を対象とした。手術時年齢/体重の中央値は1.2歳/8.3kg。側開胸でBTシャント±片側UFを先行した症例が9例、高肺血流によるPHでMAPCA bandingを先行した症例が1例あった。第一期手術では正常肺動脈弁輪径の約77%径の弁付きePTFE導管にてpRVOTRを行い、術後Qp/Qsの中央値は1.00であった。全例術後に肺血管拡張剤を投与した。
【結果】第一期手術後観察期間の中央値は5.0年。24例が平均1.3年の間隔をおいて根治術に到達、1例待機中。根治術前のSpO2の中央値は90%と肺血流の有意な増加を示唆する所見であった。根治術の年齢/体重の中央値は2.7歳/10.5kg。手術死亡なし、遠隔期死亡は感染による1例のみ。 10例において根治術時、PAに介入し(拡大形成:9例、縫縮:3例)流体力学的に有利なY字型のPAを再建した。VSDは全例で完全閉鎖。根治術後、末梢PAへの内科的介入は3例のみ。再手術は4例で体重増加による導管交換のみであった。根治術後、収縮期PA圧の中央値は35mmHgと低値であった。PA indexの中央値は第一期手術前後、根治術後で126.7→370.9→478.0mm2/m2と増加を認めた。
【結語】cPA欠損/高度低形成を伴う本疾患群に対し、本戦略では第一期手術での流体力学的に有利なY字型心膜ロールによるcPA再建ないし小口径の弁付き導管による肺血流の適正化、更に根治術時での残存病変解除により良好な肺血管床と正常右室圧が得られ、本疾患群への有用な治療方針と考える。