The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

一般心臓病学

デジタルオーラル(I)01(OR01)
一般心臓病学

指定討論者:麻生 健太郎(聖マリアンナ医科大学 小児科)
指定討論者:小野 博(国立成育医療研究センター 循環器科)

[OR01-5] 遠隔期弁機能から見たRVOTR時の弁選択:人工弁or ePTFE Valved Conduit

合田 真海, 中野 俊秀, 小田 晋一郎, 安東 勇介, 岡本 卓也, 緒方 裕樹, 酒井 大樹, 野村 竜也, 角 秀秋 (福岡市立こども病院)

Keywords:RVOTR, 生体弁, ePTFE Valved Conduit

【背景】当院では2000年前半から右室流出路再建後の再手術時に、体格に応じて人工弁もしくはePTFE Valved Conduitを選択してきた。これまでの再右室流出路再建後の遠隔期成績から当院での現在の治療指針を報告する。【対象】2000年から2019年に当院で行われたTOF,PA/VSD(MAPCA)根治術後の再右室流出路再建術について、心臓超音波検査およびMRIによる弁機能を中心とした中-遠隔期成績を後方視的に検討した。再右室流出路再建術は176例、手術時年齢:12歳[8-16歳]、BSA1.21m2(0.84-1.45m2)であった。そのうちValved Conduit 104例(12mm:2例, 14mm:2例, 16mm:13例, 18mm:21例, 20mm:13例, 22mm:33例, 24mm:20例)、人工弁72例(Epic:34例, Magna:27例, Mosaic:11例、19mm:1例, 21mm:19例, 23mm:25例, 25mm:26例, 27mm:1例)を使用していた。Valved Conduit16-20mmおよび人工弁19, 21mmを小口径群、Valved Conduit22、24mmおよび人工弁23-27mmを大口径群として解析した。【結果】 小口径群での術後5年後のmoderate PS(Vmax>3m/s)回避率は人工弁:45%、Valved Conduit:70%(p=0.0462)と有意にValved Conduitで良好であった(観察期間中央値5年)。大口径群でのmoderate PS回避率は術後3年の時点で人工弁:92%、Valved Conduit:100%(p=0.0239)であったが、人工弁群でのPS(2例)はいずれもEpic弁によるもので、Magna弁によるPSは認めなかった。 MRIによる右室機能評価を術後中央値3年の時点で61例(人工弁24例, Valved Conduit 37例)に行っていた。MRIによるRVEF, RVEDVI, RVmass indexは人工弁とValved Conduitに有意な差を認めなかったが、逆流率はがわずかにValved Conduit(3.87%)で多かった。【まとめ】小口径群ではValved Conduitの人工弁に対する優位性が示された。大口径群ではValved ConduitとMagna弁はともに良好な成績であり、体格が許せば25mmのMagna弁の選択も考慮できるものと考えられた。