The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

カテーテル治療

デジタルオーラル(I)07(OR07)
カテーテル治療1

指定討論者:江原 英治(大阪市立総合医療センター小児医療センター 小児循環器内科)
指定討論者:小林 富男(群馬県立小児医療センター)

[OR07-5] type A以外のPDA閉鎖術におけるデバイス選択

佐藤 純, 吉井 公浩, 吉田 修一朗, 武田 紹, 西川 浩, 大橋 直樹 (中京病院 中京こどもハートセンター 小児循環器科)

Keywords:PDA, ADOII, AVPII

【背景】動脈管開存症(PDA)に対する閉鎖デバイスは近年の国内承認により選択肢が増している。一方、その適切な使い分けは主に術者の判断となり一定した見解は無い。現在当院ではKrichenko分類type A以外のPDAに対しては適応外使用であるAVPIIを含め、ADOI、ADOII、Flipper coil(FC)などから対象の体格、PDA形態を参考に選択している。【目的】当院のPDAデバイス閉鎖症例を振り返り、適正なデバイス選択とその留置方法を考察する。【方法】2018年1月以降のPDAカテーテル治療症例44例につき診療録を後方視的に検討。【結果】Krichenko分類type A以外はtype E 14例、type D 1例で、閉鎖デバイスはtype EでFC 6例、ADOII 5例、AVPII 1例、ADOI 1例、type DではADOIIであった。デバイスサイズはFCで3mm3巻3例、3mm5巻3例、ADOIIは3mm*4mm3例、3mm*6mm2例、6mm*6mm1例、AVPIIは6mm、12mm、ADOIは6mm*4mmであった。治療時年齢0歳7か月~53歳(4 ※中央値、以下略)、PDAサイズはPA側0.3~2.7mm(0.8)、Ao側0.7~19.9mm(3.7)、長さ3.5~14.1mm(8.6)。ADOII例では全例でPA側・Ao側から挟み込む形態で留置され、ADOI、AVPII例はampulla内に収まる形で留置されていた。ADOII例ではAo側突出が目立ったが有意な大動脈狭窄例はなかった。全例で残存短絡、合併症は認めなかった。【考察】径3mmより大きいFCは使用されておらず、AVPII、ADOIIの導入によると考えられた。ADOII、AVPIIの外観は似ているが、前者はdouble diskで挟み込む意図、後者は3つのbodyで塞栓力を高める意図で使用しており、ampullaが比較的大きい例ではAVPIIをampulla内に収納する形で閉鎖することでAo突出を回避できると考えられた。【結語】現在閉鎖デバイスは多岐に渡りその方法に様々な流儀があるように思われるが、肺動脈側の狭窄部とampullaをいかに利用して、且つ大動脈弓部への突出を抑えて閉鎖するかといった意識が必要である。