The 56th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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デジタルオーラル

電気生理学・不整脈

デジタルオーラル(I)09(OR09)
電気生理学・不整脈1

指定討論者:宮﨑 文(静岡県立総合病院 移行医療部成人先天性心疾患科/静岡県立こども病院 循環器科)
指定討論者:岩本 眞理(済生会横浜市東部病院こどもセンター 総合小児科)

[OR09-5] 小児における睡眠時および覚醒時の心拍変動

秦野 敬子1, 齋藤 和由2, 武田 淳1, 北川 文彦1, 鈴木 大次郎2, 小島 有紗2, 内田 英利2, 畑 忠善2 (1.藤田医科大学病院 臨床検査部, 2.藤田医科大学 医学部 小児科)

Keywords:HRV, 睡眠時, 覚醒時

【背景】覚醒時と睡眠時の小児における心拍変動や自律神経活動は十分に評価されていない。【目的】小児における睡眠時と覚醒時の心拍変動の違いおよび加齢に伴う変化を評価すること。【対象】藤田医科大学病院において2018年4月~2020年1月までに24時間ホルター心電図を装着した20歳未満の小児177症例の内、覚醒/睡眠の記載があり、期外収縮が総心拍の3%未満で他の不整脈がない計72例(男児29名、女児43名)。年齢は0歳~18歳(月齢3ヶ月~225カ月)。【方法】24時間のNN間隔データに対して解析プログラムMemCalc/Chiram 3を用いて、心拍変動解析および周波数解析を行い、睡眠時および覚醒時の平均心拍数(HR)、平均心拍数の差(ΔHR)、NN間隔の標準偏差(SDNN)、隣接したNN間隔の差の二乗の和の平均の平方根(r-MSSD)、変動係数(CVRR)、low frequency(LF)、high frequency(HF)、LF/HFを求めた。【結果・考察】1)月齢との相関:覚醒時HRおよび睡眠時HRは有意な対数曲線回帰を示した (覚醒時HR = 181.00-18.27×Log(月齢), R2=0.70、睡眠時HR=149.06-16.26×Log(月齢), R2=0.65)。加齢に伴いHRは低下したがΔHRは22.5±7.5とほぼ一定であった。加齢に伴いSDNNおよびr-MSSDは有意に高値となったがCVRRに有意差を認めなかった。加齢に伴いLFは有意に増大、睡眠時のHFは増大傾向にあり、LF/HFは覚醒時において増大傾向にあった。2)覚醒時と睡眠時の比較:HRは覚醒時に比し睡眠時に低値を示した。覚醒時に比し睡眠時においてr-MSSDは有意に高値を示しLF/HFは低値を示した(P<0.0001)。SDNNに有意差なし。【結語】HRは加齢に伴い減少するがΔHRは月齢による差を認めなかった。r-MSSDは睡眠時と覚醒時における自律神経系発達の良い指標となるかもしれない。更なる症例の蓄積が望まれる。