[OR10-5] 新しいsystem (DirectSense)を使用してablationを施行した成人先天性心疾患症例
キーワード:先天性心疾患, アブレーション, 3Dマッピング
背景:先天性心疾患(CHD)の上室頻拍に対するカテーテルアブレーション(CA)は、解剖学的に複雑でありカテーテルの操作および良好な固定が困難なため不成功症例が存在する。この問題を解決するため新しいsystem (DirectSense)が開発された。このsystemを使用して、局所の組織抵抗(LI)を測定しながらCAを施行したCHD術後症例は報告されていない。症例:CHDの8例(24~46歳)にCAを施行した。未手術1例、二心室修復4例、Fontan手術3例である。方法:最初に多極カテ(IntellaMap Orion)を使用して右心房のvoltage mapを作成後に頻拍を誘発した。心房電位0.5mV以下をlow voltage area (LVA)と判断した。Intellanav MiFi Olを使用してCAを施行した。心腔内LI (control)および通電でLIの低下率を測定した。結果:頻拍は心房粗動(AFL)2例、心房内マクロリエントリー頻拍(IART)4例、AFL+IART 2例であった。AFL症例はcavo-tricuspid isthmus(CTI)に線状CA、IART症例はLVA内拡張期fragment電位にCAを行った。心腔内LI (control)は平均101Ωであった。通電部位はカテーテルの固定が良好なcontrol LIよりも高い抵抗値測定部位で行った。8例全例CAに成功した。CTIは全例健常電位で平均108Ω、LIは通電により10~30%低下した。LVA内で通電を行ったIART症例の成功部位は平均115Ωで、低下率は10~40%であった。結論:通電によるLI低下が、健常部位、LVA両方において、良好なカテーテルの固定およびCAの成功の指標となった。